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旬の英国便り
by RIE SUZUKI, meet Britain
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魔除けの 「ガーゴイル」 (Gargoyle)
ピカデリー・サーカスからバッキンガム宮殿までの土地所有者は、エリザベス女王です。従って、ジャパンセンターの建っている所も、根本的には女王様の土地です。
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ちまたの噂では、「ピカデリーにスーパーマーケットがあるのは如何なものか」と女王様が言ったとか言わないとかで、ジャパンセンターが移転を余儀なくされ、ロンドン三越の横に越してこようとしているそうです。三越さんもいやでしょうが・・・

ジャパンセンターの入っている建物には、元々、魔除けの「ガーゴイル」(Gargoyle)が居ます。おそらく、ジャパンセンターで働く人ですら気づいてはいないでしょうが・・・
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「ガーゴイル」は、フランス北東部の伝説・伝承に登場する水を吐いて洪水を起こすドラゴンに似た姿の川・沼地の怪物で、フランス語では「ガルグイユ」と呼ばれています。

嵐や竜巻を起こして川を通るボートを転覆させ、釣り人を飲み込んでしまう。時には近くを通った人間や牛を沼地に引きずりこみ食べてしまうこともあったとされ、7世紀に聖ロマンによって退治されたとされています。
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背中にを持ったグロテスクな怪物の姿をしたガーゴイルは、中世以降、西洋では彫刻としてゴシック建築の教会寺院の屋根や壁に取り付けられますが、そのうちの何匹かは、雨どいの役割りを果たしています。屋根に降った雨水を集め、この怪物たちのから外に向けて排出する雨水の排出口の機能。

従って、ぽかんと口を開いているのが特徴です。

パリのノートル・ダム寺院(↓)や、ロンドンのウェストミンスター寺院(↓)の外観には、ガーゴイルがウジャウジャ取り付けられています。
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しかし、それは、ゴシック様式の寺院や教会での話しで、一般の建物となると、(変人のように舌を出した)人の顔だったり、(怖い顔をした)鬼の顔だったり、または品良く(ギリシャ式に)ライオンだったりします。
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明らかに怪物ガーゴイルの姿をした(翼を持った)彫刻を、寺院・教会以外につけている建物は、知る限りにおいてセントラルロンドンでは、このジャパンセンターの建物と、(ユーロスターの発着駅となった)セイント・パンクラス駅(↓)だけです。
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セイント・パンクラス駅の玄関口にあたる旧ミッドランド・グランド・ホテルの上部(時計のあたり)
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でも、この駅は、聖パンクラスの名を持つ鉄道界の大聖堂、建築においてはヴィクトリアン・ゴシック建築(赤レンガ)の最高峰なので特別です。

私は迷信なんぞは信じないたちですが、ジャパンセンターの建物は本当に珍しいので(貴重なので)、ジャパンセンターの栄華はここに店を開いたこと、そして訪れた危機は、すぐ隣にメイン店舗を移してしまったことにあるのかしら?~なんて思ったりして・・・
by rie-suzuki67 | 2009-02-24 08:42 | :: Architecture
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