都市名/発音の法則 |
1年2ヶ月以上、ロンドンに住み、セントラル・ロンドンにある大学に通っているというのに、「トッテンハム」「バルハム」と地名を言ったりする日本人の女の子が身近にいます。 「トッテンハム」は言わんとしている地名の察しがつきますが、さすがに「バルハム」は、それどこ? と頭の中で渦を巻いてしまいました。 そこで、もっとも代表的な都市名の発音例について・・・ 先日通りかかった(フットボール・クラブ)チェルシーのホームグランドの写真。高級住宅街・チェルシー(Chelsea)のお隣(チェルシーの一部ともいえる)フラム(Fulham)にスタジアムがあります。最寄駅は、Fulham Broadway駅。 日本では、Fulhamを「フルハム」と発音しますが、正しくは「フラム」。サクソン語に起源をおく "- ham" は、homeを意味し、「家庭」「村」を指します。この ham の "h" は発音せず、Fulhamの場合、前にある子音 "l" が後の(hamの中の) "a" にくっ付きます。従って、「フルハム」ではなく「フラム」。 「バッキンガム(Buckingham)宮殿」も同様で、「バッキングハム宮殿」とは言わないわけで・・・。 彼女が「バルハム」と言った地名は、Balham(バラム)のこと。「トッテンハム」と言ったのは、Tottenham(トッテナム)のこと。いろいろと常識はずれのある子なので、きついことをいいますが、「トッテンハム」では暮らせないというか、1年2ヶ月、何をしていたのか?と言いたいくらい。 英国人でなくても、英語圏の人ならば -ham の発音は間違えないでしょう。 余談ですが、彼女、「細川ガラシャ」を知らないんですけど、今時の27歳って、知らないの? JSTV で NHKの大河ドラマを見ていて、この人が何者か、こういう死に方をする理由や、この時の死に方が西軍の方針にダメージを与えたことなど、説明してしまいました。う~ん、知らないと見ていても面白さ半減だと思うのですが・・・ 日本史からやり直してください! さて、英語の発音法則も混じったちょっと難しい都市名の発音として、 "Caterham"。 英語は、「75%の法則」というものがあって、これに従えば、見たことのない・意味を知らない単語でも、発音だけはできてしまったりします。もちろん、25%の例外があるわけですが、それは、知らないと読めないことを意味しますから、捨てるのがいいと思います。 その法則の一つとして、語尾の "e" を発音しないという単語(table, tape, take ... のように -le, - pe, - ke, - te)は、前の母音をアルファベット読みしますから(a エイ、i アイ、o オウ)、 a ア、i イ、o アではない。 従って、Caterham は、まず、ham の h を発音せず "r" が "a" とくっ付き「ラム」、Cate が残ることになり、 - te の場合のeは発音しませんから、前にある母音 a をアルファベット読み(エイ)と発音するので「ケイト」。「ケイトラム」となります。「カターハム」とかではありません。 *************************************** 日本語も、熟語には「訓訓読み」「音音読み」の法則があり、英語よりは例外率が下がりますが10%の例外があります。 例えば、「東京」「とう(音読み)きょう(音読み)」。 「とう(音読み)みやこ(訓読み)」と言われたら、それどこ? って感じで、東京という熟語は「音音読み」。音読みの発音には音読みが必ず付き、訓読みには訓読みする組み合わせなわけで、日本語の熟語は(地名に関わらず)この法則で作られています。 *************************************** 以前に書いた「都市名の語源」は、こちら。 |
by rie-suzuki67
| 2006-11-09 02:49
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