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旬の英国便り
by RIE SUZUKI, meet Britain
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コンスタブル・カントリー(2) イース ト・バーゴルト村
イース ト・バーゴルト村は、ウォーキング・ルート地図の一番北の先端です。

フラットフォード(Flatford)から、なだらかな坂を北西に20分くらい上がり切った丘の上にあるサフォーク州(Suffork)イース ト・バーゴルト(East Bergholt)村は、コンスタブルが生まれ育った村

ウォーキング・ルート地図の一番北に、まさにあるのがセント・メアリー教会。15~16世紀に建てられた教会ですが、ひらべったい屋根、が収容されるべきがない!ことにお気づきでしょうか?!
コンスタブル・カントリー(2) イース ト・バーゴルト村_a0067582_3373186.jpg

16世紀に建設費が滞ってしまったために塔が建てられず、いつかは塔が付けられ、そこに収容されるはずだった5つの鐘が500年近く経った今でも・・・

仮住まいの小屋(ベルケージ)に収められています(↓)このベルケージはチャーチヤード(教会敷地内の墓地)に建っています。
コンスタブル・カントリー(2) イース ト・バーゴルト村_a0067582_3382256.jpg

英国で一番重たいと言われている5個の鐘です。
コンスタブル・カントリー(2) イース ト・バーゴルト村_a0067582_3382646.jpg

通常、教会の鐘は、塔の上部の鐘に付けられたロープを下で引っ張って鳴らしますが、こういうベルケージの中という状態ですから、重いベルを逆さの状態で設置し、鐘を人間が手で鳴らしています(ベルリンギング)。当然、耳当てが無いと無理なので、置いてあります。

さて、この資金切れの張本人とは・・・、言いかえれば、この資金を出す予定だった人物は、サフォーク州にあるイプスウィッチ出身であり、ヘンリー8世治下の大法官を務めた聖職者のトマス・ウルジー(Thomas Wolsey, 1475-1530)だったと言われています。

ヘンリー8世の離婚問題をめぐり失脚、ハンプトンの館(後のハンプトン・コート宮殿)を王に献上するはめになり、あげくは、反逆罪の罪をきせられ逮捕され、ロンドン塔へ送られる道中で死亡。鐘を収容するための塔の建設の話は、おじゃんとなったわけです。

少年コンスタブルが通った学校は、自宅のあるこのイース ト・バーゴルト(East Bergholt)村から丘を南西に下りたエセックス州(Essex)の外れの村デダム(Dedham)。

写真では平地に見えるかもしれませんが、これは(↓)イース ト・バーゴルトからデダムとへ下る丘の上から、デダムと(蛇行して流れる)スタウアー川を望む景色。
コンスタブル・カントリー(2) イース ト・バーゴルト村_a0067582_3392694.jpg

肉眼で、ランドマーク的存在のデダム教会の塔がちゃんと見えています。

もちろん、通学路であったこの景色をコンスタブルも描いています。「The Stour Valley and Dedham Village」(スタウアー川の谷とデダムの村、ボストン美術館蔵)
コンスタブル・カントリー(2) イース ト・バーゴルト村_a0067582_3394019.jpg

さあ、丘を下ってデダム村へ。
by rie-suzuki67 | 2014-08-27 03:39 | :: Countryside
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「英国と暮らす」 apd2.exblog.jp