旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
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「レッド・ライオン」のトリビア
英国には、いろいろな名前のパブがありますが、地元ならではの名称を除けば、大体、パターン化しています。

Crown、Royal Oak、White Hart、White Horse、Swan、Rose & Crown、Kings Head、Kings Arms、Queens Head、George、Prince of Wales、Victoria、Coach and Horses などは、かなりの件数が存在する代表的な名前。
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多くは、王座・王室絡みの名前が多いのですが・・・

既に、一般常識ともなっている最もポピュラーな名前(最も件数が多いの)は、Red Lion で、イングランドに約600件もあります。
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パブの名称として、なぜ、Red Lion が際立ってこれほどまでに多いのか?それには理由があります。



国旗、国章(紋章)、国花というものが各国ありますねっ。日本の国旗は「日の丸」、国章は(パスポートの表紙でお馴染みの)「赤地に金の菊」。英国の国旗は(三国の国旗を合体させた)「ユニオン・フラッグ」で、国章(紋章)はこれ(↓)
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これは、「国王の紋章」で、それがすなわち国章(紋章)になっています。
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盾の両側をイングランドを象徴する「獅子」とスコットランドを象徴する「ユニコーン」で支え、の第1と第4クォーターにイングランドの国章である「赤地に3頭の金のライオン」、第2クォーターにスコットランドの国章である「金地に(赤のダブル・トレッシャー・フローリー・カウンター・フローリーで囲まれた)赤のライオン」、第3クォーターにアイルランドの国章である「青地にハープ」がそれぞれ描かれています。

そして、この国章(紋章)として使用する場合は、四分割された盾の部分だけが使われ、その旗は、「国王旗」となります(エリザベス女王旗です)。
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これが国王旗ですから、女王が居るところに必ずこの旗が掲揚されており(女王が乗って移動中の車にも)、国王が英国旗である「ユニオン・フラッグ」を使うことはありません。

先にも述べたイングランドの国章(紋章)「赤地に3頭の金のライオン」は、サッカーのイングランド代表チームのユニホームにもエンブレムとして施されています(↓)
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で、スコットランドの国章(紋章)は「金地に赤のライオン」。レッド・ライオンは、(昔はスコットランド国王旗であり)今も昔もスコットランドの国章(紋章)。

スコットランド国旗は「青地に白いクロス」(のセント・アンドリュー旗)ですが、イングランドの「赤地に3頭の金のライオン」同様に、スコットランドの国章(紋章)旗は「金地に赤のライオン」(↓)
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説明が長くなりましたが、パブの名前として、なぜ、Red Lion が多いのか?というのは、このスコットランド国章旗(昔は、スコットランド国王旗でもあった)と関係があるからなのです。

1603年、子どもをもうけなかったイングランド王のエリザベス一世の後継指名を受諾して、イングランドの王座に着いたスコットランド王ジェームズ一世(スコットランド王としてはジェームズ六世)。イングランドとスコットランドは、当時は、別々の国でしたから、二つの国の王様になりました。

で、ロンドンに到着したジェームズ一世は、ウェストミンスター寺院で戴冠式を行うのですが、スコットランド王ジェームズとしては、イングランド中に、誰がボスなのか!を示す必要があるという(ある種の)外交手腕を考えます。
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それが、「レッド・ライオン」。

イングランド中の公共の重要な場所、そして、公共の人が集まる建物に、スコットランド王のシンボルである Red Lion をつけていくんです。
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日本で言われる「パブ」と、元祖英国の「パブ」(Pub)は、随分と異なりますが、語源は一緒。パブ、パブと簡単に呼んでいる Pub のフルネームは Public House。「公衆の家」。人が集まるところです。

そんなわけで、パブの名前としての Red Lion は、400年以上の歴史があります。

ロンドンの中心部にも、わんさかある Red Lion という名前のパブですが、ピカデリー通りのセント・ジェームズ教会の裏手にあるパブ Red Lion には、Red Lion という名前のパブがイングランドで一番多い名前であり、それがジェームズ一世のこうした外交手腕によるものである、ということを書いたプレートをつけています。
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by rie-suzuki67 | 2014-05-31 08:18 | :: Architecture
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