タイム・ボール (The Time Ball) |
日本の観光ガイドブックには書かれていないことが「グリニッチ旧天文台」に関していろいろあります。 そのひとつが、"ここには、午後12時54分迄に辿り着くことがお薦め!" ということ。 只今12.45pm。まだ、人だかりはできていません(↓) 丘の上に建つ旧天文台の建物の先端につけられている赤いボールが、一番下に落ちているのがわかりますか? 毎日、午後1時の5分前(12.55pm)になると、この赤いボールが動き出します。5分前になると、ちょうど先端との中間(真ん中)まで上がります(↓) そして、2分前になると赤いボールは再び動き出し、一番上の先端まで上がり、午後1時のその時を待ちます。 午後1時になった瞬間、赤いボールは、ストーンと落下します。 赤いボールの落下は、午後1時を知らせる時報の役割を果たしています。 グリニッチ旧天文台というと、「世界標準時」。「子午線」があるところですね。 旧天文台は1675年に、天体観測によって海上の船の位 置を正確に求める研究のために、(王制復古を遂げた)チャールズ2世によって設けられた建物で、英国史上最大の貢献度をもつ偉大な建築家クリストファー・レンによるデザイン。 「七つの海をまたにかけた」かつての大英帝国の栄光からもわかるように、海外進出のために必要だったんですね。 この赤いボールは1833年からのもので、ヴィジュアル的なタイムシグナルとしては世界で最も古いものの一つ。 (丘の下のテムズ河のドックで待機中の)航海前の船に午後1時を知らせて経度を正確にあわせさせるためのものでした。 船には望遠鏡を使って丘の上を見つめている係りがいました。今でも午後1時になると落下します。 因みに、丘の下に広がるグリニッジ・パークから旧天文台を見上げてこの落下を見ていただくつもりでしたが、只今は、オリンピック&パラリンピックの乗馬競技の会場が公園内に設営されてしまっているので公園に入ることができず、大回りをして赤いボールをまじかで見物。 通常、公園内から上がってくる坂は封鎖されてしまっているのでご注意を(↓) ゆえに、今度は(帰りは)、逆周りで裏手の丘からテムズ河へ下りてみました。 余談ですが、昔は、「時間を売る商売」というものがありました。 グリニッジに来て時間を合わせ、そして街で時間を教える商売。 |
by rie-suzuki67
| 2012-08-29 18:34
| :: Gal./Mus./Theatre
|
<< (ヴィクトリア女王が眠る)フロ... | (空の)ケーブル・カー >> |