キャプテン・クック がもたらした 'ミモザ' |
英国では春先に、あちらこちらで、よくミモザの花を見かけますが、ブティック・ストリートとして有名なスローン・ストリート沿いにあるカドガン・プレイス・ノース・ガーデンの中に、これはすごい!という大輪のミモザを発見。 何本ものミモザの木が植えられているので、重なり合って大輪に見えています。 カドガン・プレイス・ノース・ガーデンは、向かいのテラスド・ハウスにお住まいの方々だけが鍵を持っていて利用できるプライベート・ガーデンなので、指をくわえて、柵の外から眺めていた私。 18世紀後半、英国の海軍艦長であり海洋探検家であったジェームズ・クック(James Cook, 1728- 1779)によっ て、オーストラリアから、ミモザの花が英国にもたらされました。皆様ご存知の通称「キャプテン・クック」(Captain Cook)と呼ばれる人です。 その後、冬季を南フランスのコート・ダジュールで過ごす英国人達の別荘の庭には、競ってミモザが植えられ、早春のボ ルムの町は、ミモザで彩られることになり、1968年、ボルムの町の名称は「ボルム・レ・ミモザ」と改称されるに至るほど。 ヨーロッパでは、ミモザは春を告げる花として知られ、ニースのカーニバルでは、幸せを呼ぶミモザの枝が観客に向けて投げられます。3月にカンヌでも「ミモザ祭り」が催され、当然、ボルム・レ・ミモザから香水の町グラースを結ぶ全長130kmのミモザ街道は、ミモザの花で埋め尽くされます。 黄色いたわわなボンボンをつけたふくよかなミモザの花・・・ 1908年、ニューヨークの繊維工場で酷使されていた女性労働者が、ストライキを決行。怒ったオーナーが放火し、129名の女性労働者が死亡するという悲惨な事件がありました。 その後、世界的に女性解放運動が高まり、2年後のそのストライキが行われた3月8日を「国際女性デイ」と宣言、国際記念日となっています。 その喜びとエネルギーを象徴するシンボルとして、黄色いミモザの花が選ばれたのも、わかるような気がします。 さて、英国が誇るキャプテン・クックことジェームズ・クックさんは・・・というと、ノース・ヨークシャー地方マートン出身で、近隣の港町ウィトビーが、船に関わるお仕事の始まり。 一介の水兵から、英国海軍の勅任艦長(Post Captain)に昇りつめた人物。 時代は、ヨーロッパ各国が新大陸発見・植民地拡大にやっきになっている頃。クック船長の探検隊は、オーストラリア大陸の東海岸に到達した史上初のヨーロッパ人。 ニュージーランドの海図を作成し、ハワイ諸島を発見したキャプテン・クックは、史上初めて壊血病による死者を出さずに世界周航を成し遂げた成果(18世紀においては、これは奇跡ともいえる偉業)があります。 彼は、ハワイの原住民とのいざこざで、ハワイで没しています。ミモザをみると、(変ですけど)オーストラリアやクック船長が頭をよぎる私であります。 庭師さんも、せっせとお仕事(↑)。陽気がよいので、お仕事もはかどることでしょう。 |
by rie-suzuki67
| 2012-03-17 00:59
| :: Plants & Parks
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