旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
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キャビーのシェルター
あちこちで、(桜に似た眺めの)アーモンドの花が本格的に咲き出した今日この頃。
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ロンドンの街中で、こんな緑色の小屋を見かけたことはありませんか?
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これは、ブラック・キャブ(taxi)の運転手さん(cabbies, キャビー)の休息場所で、「シェルター」(shelter)と呼ばれるもの(正式には「Cabmen's Shelter」)。

上の写真の場所の場合、広い通りのど真ん中にありますが、ちゃんとシェルターの前後にタクシー・レーン(タクシー専用の駐車スペース)が道路にペイントされています。

その昔、馬車の御者、その後はタクシーの運転手さんが、仕事の合間にちゃんと暖かい食べ物が取れるようにと作られた小さなカフェで、起源はヴィクトリア時代に遡ります。
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提唱者は、シャフツベリー卿です。

彼の記念碑は、皆様よくご存知のピカデリー・サーカスの「エロスの像」(慈愛・チャリティー)で、その名を冠する通りが(ピカデリー・サーカスから北東方向に伸びる)「シャフツベリー・アヴェニュー」(道の北側がソーホーで南側がチャイナタウン)。

シャフツベリー卿はヴィクトリア時代の政治家で、工場の法律を整え、過度の子どもの労働を規制した、キリスト教精神の象徴でもあった人です。

「Cabmen's Shelter Fund」(チャリティー基金)により、1875年から1914年の間に、61個のシェルターがロンドンの街に設置されました。一個あたりの費用は当時のお金で200ポンド。

シェルターの前後に、ずら~りと並んだタクシー(↓)、ボンネットを開けて、車も休ませていたりします。
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現在では、ロンドンの街中には13箇所に減ってしまった。

(写真を)見ての通り、ここでは一般の人にも飲み物やスナックを売ってくれますので、通りがかりのバイクのおじさん(トップの写真のおじさん)もバイクをタクシー・レーンに駐車して一息中だったり、近くで道路工事をしていた作業員も飲み物を買いにきたりします。
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ロンドン同時多発テロのニュースの際にも、度々、その映像の片隅に映りだされていたラッセル・スクエアにあるシェルター(↓)。元々は、レスター・スクエアにあったものです。引越しの理由は・・・
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現在のレスター・スクエアを頭に浮かべてみると想像がつくように、レスター・スクエアが歩行者専用になったからです。(タクシーが駐まれないからです)

また、テンプル駅の横、ハワードホテルの斜め向かいに建っているシェルターは、元々あった場所から約50m西に移動したものです。移動の理由は・・・

5つ星のハワードホテルの玄関口に、みすぼらしい小屋は相応しくないと考えたホテルのオーナーが、シェルターの撤去を申し立てたのです。

英国がどんな国かを知っている人なら結果の検討がつくんじゃありませんか?撤去の許可が下りるわけありませんよね!英国はそういう国ですから。

(多額の費用をかけて)少しずらすことで決着。

ロンドン市のメンバーであるギルド(同業者組合)の名前は、ハックニー・キャリッジ・ギルド(Hackney Carriage Drivers)。元々は、馬車の時代の1654 年にギルドのメンバーとして承認されています。タクシー(馬車・車)がライセンス制になったのは、1662年のこと。

駐車しやすい場所ということで、ハノーヴァー・スクエアのようなスクエア(広場)沿いが多いかな?!今まで気がつかなかったという方は、オックスフォード・サーカスの南側にあるハノーヴァー・スクエアあたりでまずは確認してみてください。
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by rie-suzuki67 | 2011-03-05 08:23 | :: Architecture
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