ロンドンで一番素敵なカフェ |
それは、The V&A café。V&A(ヴィクトリア&アルバート ミュージアム)のカフェ&レストランは、世界初の美術館併設のカフェという歴史を誇ります。 しかし、それよりもっと重要なことは、(気軽に利用できるセルフサービスのカフェテリア形式でありながら)高い芸術性に溢れた贅沢な空間であること。 The V&A café は、一箇所で4つの異なる雰囲気を持っていますが、まずは「モリス・ルーム」。 その名の通り、ウィリアム・モリスがデザインをした空間です。 現在Morris Room(モリス・ルーム)と呼ばれているこの空間は、元々はその装飾の色合いから「緑の部屋」(The Green Dining Room)と呼ばれていました。 工芸家・デザイナー・詩人etc.と多方面で精力的に活動し、"モダンデザインの父" と称されるウィリアム・モリス(William Morris, 1834-1896)が、未だ若く無名であった時代、公共の場のデザイン受注を初めて手がけたのがここです。 隅から隅まで "アーツ&クラフツ" の職人魂に溢れた空間。 モリスは、建築家のフィリップ・ウェッブ(Philip Webb)、デザイナーのエドワード・バーンジョーンズ(Edward Burne-Jones)とコラボしており、ウェッブがしっくいの上塗りをデザイン、バーンジョーンズがステンドグラスと壁の下絵をデザイン。 続いては、圧巻の「ギャンブル・ルーム」と呼ばれる空間。 Gamble Room(ギャンブル・ルーム)は、現代的なデザインの大きなライトと、古典的なステンドグラス、陶製の壁の取り合わせが素晴らしい精巧にねられたクラシック・リバイバル・スタイルの空間です。 デザイナー、画家であったゴドフリー・サイクス(Godfrey Sykes, 1824-1866) が晩年にデザインして、彼の死後、弟子のジェイムズ・ギャンブル(James Gamble)が仕上げたことから、ギャンブルという名がついています。 素材には、洗うことが可能なものが使われていて、壁にはセラミック・タイルを使用し被覆が施されており、また天井は、ほうろう(エナメル)鉄が使われています。 碑銘には、'Hunger is the best sauce'(空腹は最良のソースなり)、'A good cup makes all young'(良きカップで、すべてが若くなる) などが刻まれていて、微笑ましてくれます。 続いて、「ポインター・ルーム」と呼ばれる空間。 特に画家として有名で、かつデザイナーのエドワード・ポインター(Sir Edward John Poynter, 男爵, 1836 -1919)がデザインを手がけたPoynter Room(ポインター・ルーム)。 暖炉は、なんと日本のものを基調にしており、壁一面にアズレージョ・タイルが施されています。 ポルトガル伝統のこの装飾タイル「アズレージョ」は、土をこねるところから、最後の絵付けまで全て手作業です。 一般的に、アズレージョ・タイルは、紺の単色または紺が基調の絵タイルです。 この空間も、開館当時は、「グリル・ルーム」(Grill Room)という名前を持っていました。 理由は、'broil chops and steaks'(ポーク・ラム・ビーフを焼く)ための空間として仕立てられたからです。 最後の空間は、フードが並ぶエリアと同調させたモダンな白い空間。 さて、ドリンクとフードですが、大変豊富で、どんな需要にも対応できるでしょう。 冷製フードコーナー(↓) サンドイッチなどのコーナー(↓) スウィーツのコーナー(↓) 温製フードのコーナーには、英国伝統のビーフパイ、フィッシュパイなどずら~り(↓) ワインの種類も豊富(↓) お姉さん、中庭を眺めているのでしょうか?(後でご紹介しますねっ) コーヒー・紅茶はもとよりソフトドンクやお水も(↓) The V&A caféは、地上正面入り口(↓)から入ると、(ショップを通り抜け、中庭の向こう側)一番奥にあります(一階)。 中庭(↓)は、夏場だけ「ガーデン・カフェ」となって、入ることができます。今は冬なので、カフェへは、中庭に沿ってぐるっと周ります。 (↑)この建物の一階部分全部が、The V&A caféで、上部のモザイクや入り口のブロンズドアは、先に名を挙げたゴドフリー・サイクスのデザインによるものです。 こちらは入ってきた正面入り口側の壁(↓) V&Aミュージアムは、王冠を被ったような尖塔(↓)をもつ建物です。 |
by rie-suzuki67
| 2011-03-04 07:12
| :: Gal./Mus./Theatre
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