旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
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お呪いと "Scarborough Fair"
英国・イングランド北東部に位置する港町「スカーバラ」(Scarborough)。ダスティン・ホフマンが主演した映画「卒業(Graduation)」の中で、サイモン&ガーファンクルが歌った(日本語発音)「スカボロ・フェア」で、その名前だけは日本でもよく知られていますよね。
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この建物は、海岸線にあるスパで、本当は、建物から湯気が立ち上がっていて、何ともほのぼのさせてくれる光景です。日本でいうところの熱海ですかね?! 砂を運んできた人工の海岸で、温泉保養地ですから。でも、景色と歴史が大きく違い魅力的な町です(それは長くなるので省略)。写真は干潮時。満潮時は、スパの前にいるとがビシャーっと塀に当たって、そのしぶきがかかってしまうくらい。私が行った時も、行きの電車は老人の姿が多かったな〜。でも、町を歩くと家族連れが多かった(車で来ているのでしょう)。でも、リゾートいうよりヨークシャーという土地柄も手伝って、落ち着きのある静かな町で好きです。

「スカボロ・フェア」(Scarborough Fair)は、「スカボロの市」ということ。中世末期、重要な貿易場であったこの町で、毎年8月15日から45日間の長期間、市が立ったので、英国中だけでなく、大陸からも商売をしに人が集まったのでした。

a0067582_0123290.jpg<< スパの手前にあるカジノホテル

サイモン&ガーファンクルの編曲「スカボロ・フェア」は、古い英国民謡、バラード(Balladバラッド)が基になっています。吟遊詩人によって伝えられた時代が去り、1455年に活版印刷技術が発明されると、歌詞が印刷されたもの(「ブロードサイド」と呼ばれた)が瞬く間に広範囲に伝わるようになります。

「スカボロ・フェア」のバリエーションは何十もありますが、最も古バージョンと言われているものは、「妖精の騎士」と「(人間の)若い女性」との掛合いになっており、妖精の騎士が、彼女に無理難題をあげ、それができたら結婚しようというもので、彼女の方も負けてはいません。妖精の騎士が「縫い目のないシャツ」を作り、それを「涸れた(かれた)井戸」で洗い、「イバラの上で乾かす」、それをするだけの好意があるか、彼女に聞いてくれと唄えば・・・

「1エ−カ−の土地を塩水と海砂の間に見つけ、そこを羊の角で耕して胡椒の実を一面に蒔き、それを革のカマで刈り、ヒ−スのロープでまとめる」と難題で返す。それができたら縫い目のないシャツを取りにきてと唄うのである。


Can you make me a cambric shirt, (ぼくに亜麻布のシャツを作ってくれる?)
Parsley, sage, rosemary, and thyme, (パセリ、セージ、ローズマリーにタイム
Without any seam or needlework ? (縫い目もなく 針も使わずに縫えたなら)
And you shall be a true lover of mine. (そしたら 君はほんとうのぼくの恋人)


各スタンザは、この4行たてからなる問答仕立てになっています。「英国伝承童話」(日本ではマザーグースと呼ばれるもの)にも登場しますが、奇妙な2行目「パセリ、セージ、ローズマリーにタイム」は、ハーブの名前ですね。妖精に話し掛けられても、気安く耳を傾けてはいけないと言われていますから、4つのハーブの名前を呪文として唱え、この不可解なものから身を守るおまじないとしてスタンザで繰返されます。ハーブは、昔から、妖精・魔物に対する魔除けとして効果があったと言われています。


サイモン&ガーファンクル編曲の「スカボロ・フェア」は、ちょっとそれから離れて男女の切ない歌詞:
Are you going to Scarborough Fair? (スカボロの市に行くところなの?)
Parsley, sage, rosemary and thyme(パセリ、セージ、ローズマリーにタイム)
Remember me to one who lives there(あの街に住んでいる人によろしくと伝えて)
For once she was a true love of mine(昔恋人だったあの人に)
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# by rie-suzuki67 | 2006-05-29 00:18 | :: Countryside
雲低く、地上を覆う
英国の「雲」については、a+ discovery vol.1でも何度となく書いてきましたが、切れ間のない、低く地上を覆う雲というものが、どんなものかの例:
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冬場にこんな所で暮らしていたら、「ノイローゼになる夏目漱石の気持ちもわからないわけではない」と以前も書きましたが、私は、英国名物って気がして、これがないと英国という気がしません。まあ、低い雲が好きということです。

この写真(下)を使うついでに、英国バージョンの「モン・サン・ミッシェル」を・・・
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これは、英国にある「セント・マイケルズ・マウント」(St. Michael's Mount)。フランスの「モン・サン・ミッシェル」(Mont Saint Michael)は、日本人によく知られていますが、ドーバー海峡を隔てて同じ名を持つ小島は、いずれも、ケルト人の聖地。英語か、フランス語かの違いだけで、両方とも「聖ミカエルの山」と言う同じ意味。聖ミカエルは、航海や船の守護聖人です。 干潮時には、こちらも小島へ渡るための石畳が現れます。

1070年にフランスバージョンと同じ僧侶によって寺院が建てられ、1500年代に僧院から城となりました。現在は4代目城主(Lord St. Levan)がお住まいですが、一部公開されています。
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# by rie-suzuki67 | 2006-05-28 04:24 | :: Lookup into Space
「●●伯爵の名前に由来する」
一つ前の「ノブレス・オブリジェ」を読んでいただくと、部分的に、なぜ、世の中、「●●伯爵の名前に由来する」という起源の物が多いのか、わかるような気がします(英国絡みの場合)。

a0067582_146494.jpg前ボタンのセーター、「カーディガン」は、第7代カーディガン伯爵の名前から来ています。1868年にはすでにこの言葉が使われていたそうです。カーディガン伯はクリミア戦争の時の指揮官で、クリミア半島の寒さから身を守るために、このような衣料を着たと言われます。

同じクリミア戦争時代に由来するものとして、「バラクラーバ」 (balaclava) があります。現代では強盗などが覆面代わり使ったり、F1レーサーが被っていたり、Outdoor用のものもありますが、目と口の部分以外、頭から首がすっぽり覆われるようになっている毛糸でできているやつ。クリミア半島の南端に位置し、激戦が繰り広げられた「バラクラーバ」というの名前に由来します。

また、ラグラン袖も、クリミア戦争の指揮官、ラグラン卿の名前から来ており、この戦争に起源があります。

戦争がらみではなく、贅沢品は貴族から流通するといったもの、ただのものぐさで誕生した「サンドウィッチ」や紅茶の「アールグレー」のような物の方が好きですが・・・
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# by rie-suzuki67 | 2006-05-22 01:49 | :: uk is ...
「英国と暮らす」 from LONDON by RIE SUZUKI apd2.exblog.jp