旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
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ジャムの国
マイナス気温の続く長~い英国の冬がやっと終わった!と確信している今週。気温は毎日10度を上回り、今週は15, 16度なんていう日もありました。

(写真の2本の煙突は、南ロンドンにある「イケアIKEA」の店舗)
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春を告げる使者・クロッカスが咲き、いよいよ、雨季であるスプリング・ウェザーに向かっています。(英国は、実際には日本より降水量が少ない国で、年間を通して毎日雨が続く月が3月、サマー・タイムが始まる3月末までは雨との戦いかな・・・)
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さて、日本にいるご家族からの小包といえば、中には日本食材、というのが一般的ですが、ジャムを送ってもらっている(英国に来たての)駐在員さんにびっくりしたことがあります。

英国は、ジャムの国。-berry, -berry and -berry だけではなく、野菜もジャムにしてしまうため、本当に沢山の種類のジャムが、スーパーマーケットの棚に並んでいます。

ジャムは、保存食として始まったもので、普通は各家庭で作られていました。

最初の商業用ジャムは、1810年にフランスで始まり、英国でも同時代のヴィクトリア時代に商品化が始まっています。

貴重品であった砂糖が一般に広まりだした頃と一致するわけです(紀元前の昔から存在したジャム、昔はミツバチの巣から取り出したで作られていました)。
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さて、ヴィクトリア時代の英国人に、アーサー・チャールズ・ウィルキン(Arthur Charles Wilkin)という人がいます。

家庭で容易に作れるジャムではありますが、品質にこだわったジャム製造のためのフルーツ農園をロンドンから北東にでたエセックス州で始めます。
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アーサー・チャールズ・ウィルキンは、現在英国内のホテルで朝食に出てくるジャム、マーマレード、ハチミツなどの小瓶として、もっとも多用されている、こちらの Wilkins & Sons の創業者。
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ブランド名であるTiptree(ティップツリー)とは、自家農園のあるエセックス州のヴィレッジ(村)の名前。

「小さなアイディア、大きな努力」。小瓶が商売になると考え、そして、努力の営業活動、と私は思います。
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今では、Royal Warrant(王室御用達の証)を持つWilkins & Sons。(小瓶ではなく)中瓶が普通にどこのスーパーマーケットででも売られているので、紀伊国屋で買わなければならない日本にいる方とは異なり、高級というイメージはないのですが・・・

幕末、そして開国を受けて、多くの日本人が近代日本の建設のために海を渡って英国の地を踏んでいますが、日本のジャムメーカーとして有名な「アヲハタ」は、創業者の中島董一郎氏がケンブリッジに留学中、マーマレードやジャムを見て感心して持ち帰ったことから始まっています。彼の伝授のもと、愛媛県の朝家万太郎氏によって、日本初のマーマレード製造が始まっています。

英国に留学し、その生活からノイローゼになったといわれている夏目漱石。彼の「吾輩は猫である」の一節には、「おれはジャムは毎日舐めるが・・・」とジャムにふれたくだりがあり ます。

話を Wilkins & Sons に戻して、本拠地 Tiptree には、ショップティールームとともに博物館が置かれているので、興味がありましたら行かれてみてはいかがですか?
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by rie-suzuki67 | 2012-02-26 19:10 | :: Food & Beverages
銀細工が語る壮大な物語
コートールド美術館のお話の続きです。

コートールド美術館は、1932年に実業家のサミュエル・コートールド(Samuel Courtauld, 1876-1947)のコレクションを元に設立された美術館ですが、「コートールド」(Courtauld)、どうも言いづらい英語っぽくない名前ですよね。

それもそのはず、コートールド氏は、フランスから逃れて来たユグノーの末裔です。
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1635年、フランスでプロテンスタントに圧力(ナントの勅令廃止)がかかると、ユグノー達は、迫害を逃れて、オランダや英国へ移住してきます。英国には50万人ものユグノーが亡命してきます。

当時のフランスの有能な職人たちは、プロテスタント(ユグノー)が殆どであったため、彼らは、英国の手工業、特に木工や金属加工に大いに貢献します。
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お茶、コーヒー、チョコレートが大変珍重された時代、これらティースプーンや角砂糖挟み(Tea Tong)をはじめとする銀細工は、移住してきたユグノーの銀細工によって生み出され、当時の英国社会の近代化を担った富裕な顧客層から 支持されます。
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コートールド美術館には、1700年代に、コートールド・ファミリー三代によって製造された家庭用銀器の一大シルバー・コレクションが展示されています。

美術館の生みの親である収集家サミュエル・コートールドの先祖にあたります。Augustin Courtauld(1685/6-1751), Samuel Courtauld (1720-1765) and Samuel Courtauld (?)
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さて、1780年、コートールド・ファミリーは、銀細工の仕事から繊維業へと転換します。20世紀末まで存続した、後の英国の巨大繊維企業「コートールド社」(Courtauld plc)です。

絹織物業に転じ、徐々に事業を拡大していき、(コートールド美術館設立の生みの親となった収集家の)サミュエル・コートールドの代に、人絹製造を発展させセルロースから創られる合成繊維で巨富を築きます(1918年には世界のレーヨン製造40%を占めるまでに上り詰めます)。

ユグノー達の生活(コミュニティ)を多く描いた1700年の画家ホガース(英国近代絵画の父)、カレー・ストリートとして名を馳せているブリック・レーンの歴史、英国に逃れてきたユグノーを追いかけてきたフランスが焼き討ちにした英国南東海岸の人気のある小さな町・ライなど、ユグノーたちは、さまざまな歴史の場面で登場し、人と人、事柄と事柄を繋いでくれます。

ユグノー達の苦難と光芒、上流階級に広がった華やかなお茶・コーヒー・砂糖の文化、素材である銀が果たしてきた役割など、広大な物語をこの銀器が語りかけてくれることでしょう。
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この美術館には、その他、15世紀イタリアのチェストに画付けした家具などもあります。
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by rie-suzuki67 | 2012-02-23 18:49 | :: Gal./Mus./Theatre
美術館が苦手なら・・・
数部屋しかない、こじんまりとした、そしてコンパクトに、(誰もが教科書やテレビで観たことのある)世界的な名画だけを集めたと言っても過言でない美術館がロンドンにあります。
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そんな知っている名画ばかりゆえ、「えっ!本物(が展示されているの)?」と、思わずこぼれるのも当たり前。
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「旅先で美術館を訪れるのは苦手」「絵画は観てもわからない、興味がない」という人にお薦めの美術館のご紹介です。
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出迎えてくれるのは、ヴァン・ゴッホの「耳を切った自画像」(↓)
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マネの「フォリー・ベルジェールのバー」(↓)
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ルノワールの「桟敷席」(↓)
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ピカソ(↓)
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モネ(↓)
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クラーナハの「アダムとイヴ」(↓)
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モディリアーニ(↓)
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ゴーギャン(↓)
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ゴヤ(↓)
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ルーベンス・ルーム(↓)には、ルーベンスの絵画の他に、(王制復古を遂げたチャールズ二世の寵画家)ヴァン・ダイクの作品もあります。
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その他、セザンヌの傑作 など、素晴らしいコレクションは優雅な18世紀の建物サマセット・ハウス内の「コートールド美術館」(The Courtauld Gallery)にあります。
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通常、入館料が6ポンドかかりますが、毎週月曜日10時~2時はフリー・マンデーとなっているので、常設展示および特別展が全て無料。この時間がお薦めです。

The Courtauld Gallery
Somerset House, Strand London
WC2R 0RN
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by rie-suzuki67 | 2012-02-16 08:30 | :: Gal./Mus./Theatre
チャールズ・ディケンズ生誕200年記念
マイナス気温が続く毎日、ゆえに水が摂氏0度凍結することを、今更ながらに実感しています。

先週土曜日のトラファルガー広場(↓)
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噴水も、すだれ状態・・・
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そして、氷水・・・
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その日の夜から振り出した雪は、朝には止んでおり、今年初めてのまともな雪景色。
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さて、明けて2月7日(火)は、英作家チャールズ・ディケンズ生誕200年記念日。

クリスマスシーズンには、必ず、彼の作品が書店に並ぶほど、英国では不滅の作家ですが、今年は、生誕200年の年ということもあり、只今、書店 FOYLES には、ディケンズ専用のショーウィンドが設けられています。
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ロンドン博物館(Museum of London)では、6月10日まで特別展示 Dickens and London が催されているので、私もそのうち足を運ぶつもりです。

実は、私の誕生日は、ディケンズと同じ日で~す!

ご参考までに、以下が去年のクリスマスシーズンの書店。この本、売れていて、売り上げ第二位ぐらいです。
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by rie-suzuki67 | 2012-02-10 00:03 | :: Gal./Mus./Theatre
「英国と暮らす」 from LONDON by RIE SUZUKI apd2.exblog.jp