旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
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黄金のバッタ
「バッタ」(Glasshopper) から連想するワードは何でしょう?

英国人ならば、真っ先に ''Bank''(銀行)を連想することでしょう。頂点まで登りつめた偉大な黄金のバッタのお話です。
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現在、英国の金融の中心地である旧市街「シティー」。そのまさに中心にあるギリシャ風建築の建物は Royal Exchange(旧王立証券取引所)。
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1565年設立。創設者は、「悪貨は良貨を駆逐する」('bad money drives out good') で有名な「グレシャムの法則」(Gresham's Law) で知られるトーマス・グレシャム(Thomas Gresham, 1519-79)。

エイザベス一世の財政顧問にまで登りつめた人です。

建物の後ろ側に回れば、彼の像が施されています。
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グレシャムは、16世紀、ロンドンのギルドの代表として、アントワープに赴き、そこで証券取引所というものを知り、ロンバート・ストリート(Lombard Street)の商人たちのために株式取引の場所を作りました。

この建物の天辺で風見の役割をしているのが黄金のバッタ。
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バッタは、グレシャムの紋章(coat of arm)の上に載るクレスト(兜飾り, crest)。


a0067582_5391057.jpg後世このバッタは「グレシャム・グラスホッパー」(Gresham Glasshopper)と呼ばれ、銀行や(グレシャムの名を冠する)学校やホテルなどで使われていたりします。

元々の建物は1666年のロンドン大火で全焼、1838年に起きた火災で再び焼失、現在の建物は、1844年にウイリアム・タイトによってオリジナルに近い形で再建されたものです。

20世紀に入って証券取引所は別の場所に移転、1983年~2001年までは国際金融先物取引所として使用、今は、高級ショッピングセンターになっています。
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シティーには、年収何千万円~何億円という高所得者がたくさん働いています。お金はあるけど時間がないエグゼクティブが昼休みに買い物ができるように、各種高級ブランド店が、この旧証券取引所である高級ショッピングセンターに支店を出すようになったのです。
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オフィス街の休み(土日)にあわせて、ブランド店も週末は休みです。GUCCIのショーウィンドウですが、週末のお休みの時はジュエリーは撤去されます。
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ゲートが閉められ中に入れないので、入り口の柵越しに中の様子(↓)。広いホール部分にはレストラン。
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こちらは平日の内部。
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この建物のオーナーは、紋章が示す通り、金融街シティーの区役所(↓)と、
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最も古い歴史を誇るギルド(同業者組合)の筆頭であるマーサーズ・カンパニー(繊維商同業者組合↓)。
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ショップが支払う高額な賃貸料は、シティー区役所と繊維商のギルドに入るというわけです。

さて、先ほど登場したランバード・ストリートは、旧王立証券取引所の一本南側にある通りで、もちろん、ここにもバッタがいます。
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ランバード・ストリート68番地(68 Lombard Street)のバッタ。ここには、グレシャムが1563年に設立したマーティンズ銀行(Martins Bank)がありました。

もちろん、銀行のシンボルにはグレシャム・グラスホッパーが使用されていました。
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マーティンズ銀行は、(皆さまご存知の大手銀行である)バークレイ銀行(Barclays Bank)によって1969年に買収され、1970年に幕を閉じます。
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Royal Exchangeの頂点まで登りつめたバッタ、今も風見として、また、銀行やBanker、Stock Trader のシンボルとして、黄金の輝きを放っています。「お見事!バッタ君」
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by rie-suzuki67 | 2011-02-27 05:48 | :: Architecture
クロテッドクリーム・ショートブレッド
日本へのお土産にお薦めのお菓子。これは、黒&シルバーのパッケージからも感じられる、ちょっと高級感を出した(スーパーマーケット TESCO の)Finest シリーズです。
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ショートブレッドといえば、英国・スコットランドを代表するお菓子。このショートブレッドは、スコーンに欠かせない英国・イングランドの特産品であるクロテッドクリームを使っているので、とてもしっとりとしています。
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英国をダブルで食べられるお薦めのお菓子ではあるのですが、この組み合わせには矛盾があるのです。

英国・イングランドでは、スコーンといえばクロテッドクリームと苺ジャムが正統ですが、英国・スコットランドでは、バター(クリーム)と苺ジャムの方が普通。

以前、スコットランドのカフェテリアでスコーンを選んでトレーにのせ、そしてクロテッドクリームと苺ジャムを・・・と思ったら、どこを探してもクロテッドクリームがない!

スコットランド人の連れに「クロテッドクリームがないのよ」というと、「それはイングランドのスタイルでしょ、バタークリームがあるよ」と。

わかりました?!それぞれ各地を代表する食べ物のなのですが、ショートブレッドの国スコットランドでは、クロテッドクリームへの思い入れなどないのですよ~。

矛盾の産物ではありますが、美味しいのでお薦めです。価格も1.40ポンドと手軽。

そして、ごま油。

ごま油は、今まで日本食材店で日本から輸入されたものを買っていましたので、4ポンド強位して高い!

思い込みから、英国のスーパーマーケットでごま油を探したことなど一度もなかったのです。
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しかし、お友達が購入した商品をみて、私も買ってきました。知らなかった~、Sainsbury's、TESCO、Waitrose・・・どこのスーパーマーケットでも、1.30~1.40ポンドで売られていました。
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by rie-suzuki67 | 2011-02-25 10:47 | :: Food & Beverages
ロンドン最凶の怪奇屋敷と、悲しい幽霊
オックス・ストリートから南側はメイフェア地区。そこにバークリー・スクエア(Berkeley Square)があります。
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バークリー・スクエアに面した「バークリー・スクエア50番地」と言えば、文句のつけようもないほど有名な幽霊屋敷。

この縦に長いフラットが建てられたのは、18世紀の半ば(最初の居住者は1745年)、人口が増えつつあるロンドンの住宅建設がひと段落する頃。
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事例をあげていくと、とっても怖いので、私は省略してしまいますが、恐怖の表情を浮かべ、原因不明の死が次々と起こり、持ち主は転々とし、空き家である期間の方が長く、誰かが入居しても長くは続かなかった得体の知れないおぞましい何かが住み着いている怪奇屋敷。

ヴィクトリア時代が終焉をむかえる1900年代に入るかという頃には、おぞましい存在が巣食っている怪奇屋敷として不動の地位を確立します。

因みに、同じ並びの 36-38番地 Berger Houseには、三井不動産さんがテナントとして入っていらっしゃる場所です。

現在の居住者である「マグズ・ブラザーズ」 (Maggs Bros. Ltd.) は、古書店として世界でもっとも長い営業年数を誇る1853年創業の英国御用達(女王様)の本屋さん。
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マグズ・ブラザーズがテナントとなる1939年まで、このロンドンの一等地に建つこの建物に、人が入ることなどなくったのでした。

余談ですが、メイフェア地区には、Snuffer(ロウソクの火を消す道具で、先端がラッパのように開いていて、それを被せて火を消す)をメタルワーク(↓)として玄関構えにほどこす所が多いですよ。
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さて、この居住者に対しては、入居以来、怪物は特に何もしない。今や、怪物よりも長生きして、かつ有名になった古書店に、敬服したのか?

50番地の得体の知れない怪物とは違って、寂しい老人の亡霊が現れることで知らせているのがすぐ傍の53番地。

17世紀、年老いた父親が住んでいましたが、娘に恋人ができて、結婚したら会いに戻ってくると書き置きした手紙を残して去っていきましたが、ついに戻らなかった。

戻らなかった事情もわかっていませんが、娘を溺愛していた父親は、置手紙を信じて待ち続けます。二階の窓から見える前の広場(バークリー・スクエア)に、娘が元気な笑顔で現れるのを。

今も彼は二階の窓側に時折り立っているといいます。

服装も17世紀当時のもので、白いサテンのコートに身を包み、頭には(当時の紳士のたしなみである)カツラをつけ。どんな身分の人であったのでしょう。
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by rie-suzuki67 | 2011-02-23 08:23 | :: Architecture
ゴースト(幽霊)は歴史学
妖精や幽霊(話)を愛する、というか大切にしているこの国の人々。それは、足の無いお化けという印象が定着して怖がられている日本の幽霊とは、異なっています(うまく説明できませんが)。

ゴースト(幽霊)、日本では民俗学・宗教人類学・超心理学での研究対象ではあっても、歴史学とは見なされません。

英国には、学生時代に、立派な歴史学(歴史探訪)として研究したという人もいます。私の中のゴーストも、まさに歴史学!

ロンドンの中心部、ソーホー地区とメイフェア地区には、ゴーストゆかりの場所が複数あるのをご存知でしょうか?その中から二箇所をご紹介します。

まずは、無生物の幽霊。
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この水汲みポンプ、ハンドルがないことに気が付きましたか?

場所は、カーナビー・ストリート (Carnaby St) のすぐ右側に位置するブロードウィック・ストリート (Broadwick St)。(オックスフォード・ストリートから南にのびる)ポーランド・ストリート (Poland St) と、このブロードウィック・ストリートが交わる T 字路にあります。
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茶色い建物は(↑)、後にふれることになる「ジョン・スノウ」という名のパブです。

1830年代に英国に伝わって猛威を振るったコレラは、数年のうちに何万人という死者をだしました。

沢山の子宝に恵まれたことで知られるヴィクトリア女王。その産科医であり、ウェストミンスター・メディカル・ソサエティの副会長であったジョン・スノウ博士 (Dr. John Snow, 1813-1858) は、コレラの原因をと考えました。

ブロードウィック・ストリートのポンプから水を取っていた人々の罹患率が一番高かったので、水が原因であることを立証するために(辺りの住人がポンプを使えないように)当局を説得してハンドルを取り外させたのです。

これにより発生率が激減したものの、人間でいえば手足をもぎ取られてしまったような格好のポンプは、人間が恨めしいとばかりに幽霊となって度々現れ出したそうです。
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ポンプの幽霊が見られたのが、ブロードウィック・ストリートにある「ジョン・スノウ」というパブ(今も現役で営業しています)。

ポンプのたたりがあってはと、その霊を鎮めるためにパブの斜め向かいにハンドル付きレプリカが建てられたのが、このポンプです。
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もちろんハンドルを煽れば水がでるポンプです。形だけのレプリカだったなら、納得せずに、あいかわらず幽霊となって出続けていたでしょう。

※現在は、通りがかりの人のいたずらで水を出されてはこまるので、ハンドルを撤去しています。幽霊は、天国に行けない亡霊とされているので、既に、ポンプの幽霊は穏やかな眠りについたと思ったからなのでしょうね。

銘板には、コレラとスノウに関することが書かれており、終わりの方に「オリジナルのポンプは、近くのパブ「ジョン・スノウ(卿)」の外側に据えられた」と記載されていますが、今はもうありません。
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ポンプの幽霊?と思われるでしょうが、英国人は昔から幽霊がこよなく好きなのです。人間でもない、馬車やポンプといった無生物の幽霊ですら、何の疑いも持たない、ありうる話。

● 明日は、メイフェア地区で超有名な怪奇屋敷と、愛しい人を待ち続けるせつない幽霊の話をしますね。
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by rie-suzuki67 | 2011-02-14 08:33 | :: Walk & Streets
花暦
ブログのアップが滞っていましたが、気合が入ってきたので、これから頑張ります。今日は、ほんの肩慣らし・・・。

今週は、三日ほど晴れの日があったので、公園の中は気持ちがよかったです(セント・ジェームズ・パーク)。
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ホームレスの人が凍死でもしたのでしょうか、それに触ることもなく、警察官が3人ほど、その周りにいるだけだったので、すでに亡くなっているんだろうな~と思っていたら・・・
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少し離れた場所まで来て、振りかってみると、あっ!生きてます。今、起きたんですか!
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さて、毎年2月に入ると、咲き始める花を追いかけながら春を待つ、夏を待つ、やっと「花暦」の季節になります。
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冬の終わりを告げるスノー・ドロップは、今が満開。

春の使者・クロッカスが咲き出しました。もうすぐ、白や紫、黄色のクロッカスが見ごろになります。
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本当の春、イースターのシンボルである黄色いラッパ水仙は、やっと芽を出し始めたばかりです(クイーンズ・マザーが住んでいたクラレンス・ハウス前)。
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早咲きですが、アーモンドの花も咲き出したところがあります。
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晴れていない日は、頭上低く空一面を雲が重たく覆っていますが、それでも、どこかに雲の切れ目があると、太陽の光が地上を照らします。
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こんな光景をみると、「神がいる」(ような)気持ちにもなりますね~。

多くの飛行機がセントラル・ロンドン上空を飛び交っていますが、飛行機に乗っている人は、あの雲の上にいますから、青空をみているわけですね。

● 次は、(隣り合わせの)ソーホー地区・メイフェア地区の、歴史的なゴースト(幽霊)のお話をしますので、お楽しみに。
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by rie-suzuki67 | 2011-02-13 19:31 | :: Plants & Parks
こんな紅茶購入方法も・・・1 Tea bag 15p (20円)
1706年創業、英国王室御用達の紅茶の老舗「トワイニング(TWININGS)」
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スーパーマーケットで手軽に買える紅茶ではありますが、バラで購入できることが魅力のロンドン・ストランド通り216番地にある(世界初の紅茶店として出店された)トワイニング本店
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(本社は、ソールズベリーに近いハンプシャーのアンドーヴァーという町にありますが)店舗としてはここが本店で、世界的に有名になっても300年間、この狭い間口で営業しています。

10m位しかないような短く細い通路の店舗。
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まるで本屋さんのように左右のに紅茶が陳列されている(本店とは思えないほど)こじんまりとした素敵なお店です。

肖像画の筆頭(左上)、出迎えてくれる人は、創業者のトーマス・トワイニング氏
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綺麗に並んだティー・バッグの箱。
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通路の奥の方には量り売りの茶葉。
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そして、通路の一番突き当たりが、無料で試飲ができるコーナーになっていて、そこには博物館のように歴代のトワイニング家の人々の写真や・・・
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鍵付きの紅茶箱を見ることができます。
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昔は、上流階級のお金持ちの人しか入手できなかった紅茶。入手したお金持ちにとっても紅茶は貴重品ですから、(まるで宝石箱のように)鍵のかかる箱に入れて保管していたわけです。
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(商標になっている「アール・グレイ」Earl Greyの由来である)グレイ伯爵の肖像画。*グレイ伯爵は、1830年代の英国首相、第二代グレイ伯チャールズ・グレイ
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なんせ小さな本店なので、店員さんは一人しかフロアにはいません。しかし、ここの店員さんはとてもフレンドリーで、気軽に「奥でフリー・テイスティングをしていってね」と話しかけてくれます。

*無料、自分で勝手に好きな紅茶を入れて勝手に飲むセルフ。どれを飲もうか迷ってしまいますね~。
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さて、購入する予定はなかったのですが、パッケージにひかれて、バラでティー・バッグを購入することにしました。箱で買わなくても、このように(↓)バラ売りの棚も店内にはあるのです。1 bagが各15p(20円)。
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アール・グレイの販売会社としては、ジャクソン社、トワイニング社、フォートナム・アンド・メイソン社の3社の製品が代表的なので、アール・グレイの限定商品シリーズを一つずつ選びました(@15p x 5個 = 合計75p ≠ 100円)。
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これは日本にいる姉妹に送ります。全部試してみて気にいった味があったら教えてください。今度は箱(£2.30 ≠ 300円)で買って送りますから。
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by rie-suzuki67 | 2011-02-01 08:20 | :: Food & Beverages
「英国と暮らす」 from LONDON by RIE SUZUKI apd2.exblog.jp