英国通貨と銀(スターリング) |
ヴァージンアトランティックの機内免税で買ったブレスレット。カフリンクス*や金、銀のチャームで知られる英ジュエリーブランド「リンクス」(LINKS of London)のものですが、製品説明として英国らしい!表現 'sterling silver' という言葉が使われていたので、今日は sterling についてのお話を・・・ *カフリンクス (cufflinks) ・・・日本語のカフスボタン、カフスのこと。英語ではカフリンクス。カフ (cuff) は衣服の袖口のことなので、英語のcufflinks は、この「カフ」を「連結する」ものという意味からきています。 因みにお店は、私がよく行くスローン・スクエアにもあります(New York, Hong Kong, Tokyoにも)。 最初に英国通貨のお話が必要なのでそれに触れますと、英国の通貨単位はポンド(pound)。補助単位はペニー(penny, 複数形がペンスpence)。 日頃、「ポンド、ポンド」と言っているポンドの正式名称は、「ポンド・スターリング(Pound Sterling)」(もしくはスターリング・ポンド)。 紙幣が誕生する前の英国では、銀貨が使われていました。古代ローマに倣い760年頃、重さ1ポンド(本来は重さの単位)の銀塊から240個の銀貨を鋳造したのが銀通貨制の始まりです。 1ポンド=240ペンス、通貨ポンドは、銀1ポンドの重さに相当する銀貨価値を表す通貨単位となりました。 「スターリング」という名称についてですが、12世紀、東ドイツの Easterling と呼ばれる貨幣鋳造家が英国で銀貨鋳造を教えます。それ以後、1300年代に英国の法定水準となったポンド・スターリングは、銀の純度92.5%で鋳造され1920年まで続きます。 「ポンド・スターリング」は、英国の銀貨が法定の純度を保っているという証のような言葉で、今日のアクセサリーやキチンアイテム、装飾品などに用いられる「シルバー925」(Silver925)は通称「スターリング・シルバー」と呼ばれています。 一般的に、私たちが「シルバー」と呼んでいる製品についてですが、純粋な銀は、柔らかすぎて使い物にならないので、通常「シルバー」と呼ばれるアクセサリーやキチンアイテム、装飾品には、銅が混ぜられています。 通常の「シルバー」には、(スターリング・シルバーと呼ばれる)シルバー925と、シルバー928があり、数字の意味はシルバーの純度が92.5%と92.8%。銅が7.5%と7.2%使われていることを示します。 古代ローマの12進法に基づき1ポンド=240ペンスであった英国の通貨ポンドは、1971年2月以降、1ポンド=100ペンスという10進法になっています。 もちろん、現在のペニー硬貨は白銅貨で、ポンド硬貨はニッケル黄銅貨でありシルバー925ではありませんが、sterling という単語は、「本物」「正真正銘」「信頼できる」というような意味があることからも、そのままポンド・スターリングの名が使われています。 冒頭で、「製品説明として英国らしい!表現」と書いたのは、ピンクシルバーやゴールドシルバーなど特殊なものを除いて、通常一般的に世間で売られているシルバーアクセサリーは、実際にはほぼスターリング・シルバーで出来ているからです。 いまや普通だろうが!ということなのですが、そこのところをはっきり銘打つことに、この国では意義があるわけで!(日本ではただただ「シルバー」でしょ?) |
by rie-suzuki67
| 2009-04-30 17:58
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