Execution 三大処刑場 |
タワー・ヒル、スミスフィールド、マーブルアーチの3つの場所から連想するものは・・・ 観光名所でもあるこれらに共通するのは、元処刑場。英国には(その昔)4通りの処刑方法がありました。 一つ目は、タワー・ヒルでの首切り処刑。ロンドン塔の中(タワー・グリーン)で処刑されたのは、たったの7人だけで、何百人という人が実際に処刑された場所は、ロンドン塔のちょうど北側、地下鉄「タワー・ヒル」駅の入り口辺り。 ギロチンじゃなくて(ギロチンは洗練されたフランスのお話で)、英国式は木の台に首をのせた囚人の首を斧を振り下ろしてちょん切る方法。平均すると3回目ぐらいでやっと落ちたそうです。首切りは、主に身分の高い人たちの処刑に使われました。 ロンドン塔よりもタワー・ヒル駅を出た辺りの方が、霊を感じるなら正しい場所といえます。 二つ目は、スミスフィールド(Smithfield)での火あぶり。これは主にお坊さん用。ヘンリー8世の長女でエリザベス1世のお姉さん、メアリー女王が300人以上のプロテスタントを処刑したことから、'Bloody Mary' というあだ名がついたことは周知の通り。昔は、殉教者の遺体を拝むケースがあったから灰にした方が良いと思ったのかもしれません。 スミスフィールでは、たまに三つ目の見せしめ処刑も行われました。最初に絞首刑をして、死なないうちに台からおろし、生きたまんま内臓を取り出し、最後に首をちょん切って体は四つ裂き。(想像したくない~) 首は、槍に刺してロンドン橋にかざされ、体は東西南北の方向へバラバラに捨てられます。内臓を取り出されながらも「フリーダーム!!」って叫んだのが、映画「ブレイブ・ハート」のメルギブソンが演じたウイリアム・ウォレス(一つ前の「スターリング」でご紹介したスコットランドの英雄です)。 この処刑方法のことを「ハング、ドロウン、クォータード」と言い、要は四つ裂き。 このスミスフィールド、私の勤務先の近くなのですが、今は精肉中央市場になってます(おや、まあ~)。 最後の処刑方法(四つ目)は、現在、マーブルアーチが建っているタイバーンでの絞首刑。これは、一般的なクラスの人の処刑方法。 ここでの絞首刑に関しては、以前ご紹介したが、昔はタイバーンと呼ばれたこの場所、パブ(↓)の名前に名残りをみることができます。 アーチの場所から50メートルほど西のエッジウェア・ロードが始まる場所に、絞首刑台が設けられました。娯楽の乏しかった昔は庶民の楽しみの一つで、現在の刑事裁判所のあるオールドベイリーから、荷馬車で囚人を連れてくる約4キロの道のりもあわせて、大盛況だったようです。 囚人は見物人である庶民を惑わせる恐れがあるとされて、話すことは一切禁じられていました。スピーカーズコーナーは元々集会が暴動に発展しないための「はけ口」として始められました。 |
by rie-suzuki67
| 2008-10-18 15:04
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