シャムロックとクローバー |
もう時季が過ぎてしまいましたが、野原一面、または庭の芝にも咲いていたクローバー (Clover)。 日本名はシロツメグサ。赤い「レッド・クローバー」という品種も欧米ではよく知られています。 日本名で「詰め草」と呼ばれるのは、江戸時代にオランダからのガラス製品を運ぶ際、クッションとしてこの花が使われていたためだそうです。 学名のTrifoliumはtres (3枚) + folium (葉) という意味。 因みに、アイルランドの国花・シャムロック (Shamrock) とクローバーはどう違うのか?と思ったことありませんか。 そもそもシャムロックがアイルランドのシンボルとなったのは、アイルランドの守護聖人・聖パトリックがキリスト教をアイルランドの人たちに布教する際、三位一体を説明するために使ったといわれています。 シャムロックの3枚の葉をそれぞれ、父と子と聖霊に例え、それらが一つの茎でつながっていることを示して三位一体を説いたのだそうです。 「シャムロック」とは、アイルランド語で「若い牧草」の総称で、クローバーを含み一本の茎から3つ葉が出ている植物は何でもシャムロックになってしまうようです。 従って、シャムロックとは、3つの葉をもつ植物をモチーフにした装飾デザインで、特定の品種を指してはいないそうです。 17世紀、アイルランドは、イングランドによって、アイルランド語とカソリックの信仰を禁止されます。それに対するナショナリズムの表現として、シャムロックを身に付けることが行われたりもしましたが、19世紀には身に付けることで捕まり処刑されることもありました。 グラスゴーを本拠地とするセルティック(The Celtic Football Club)というプロ・フットボールチームがありますよね(中村俊介が活躍中)。このセルティックのシンボルは四つ葉。スコットランドのチームなのに、アイルランドで最も人気のあるチーム、セルティック。 グラスゴーを本拠地とするもう一つのチームに、レンジャーズがありますが、プロテスタントのレンジャーズに対抗して、アイルランド系の人たちが作ったカトリックのセルティック。アイルランドとのつながりの強いチームです。 四つ葉、見つけることが難しいため、幸運をもたらすとされているのは、日本と同様です。 |
by rie-suzuki67
| 2008-07-22 02:42
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