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旬の英国便り
by RIE SUZUKI, meet Britain
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8歳のモーツァルト
ヴィクトリア駅周辺のベルグレイヴィア(ヴィクトリア駅から西)とピムリコ(ヴィクトリア駅から南西)一帯は、長らくウエストミンスター公爵(グローブナー家)の持領だったのですが、戦後、代が変わった時に相続税の代わりに(部分的に)国に物納されたエリアが混在しています。
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従って、道を一本隔てただけで、200年前の建物と(政府が失業者や生活補助を受けなければならない人のために建てた)カウンシルフラット(公団)が共存しています(お金持ちと貧乏な人)。
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ヴィクトリア駅からスローン・スクエアに向かう途中にピムリコ・ロード(Pimlico Road)という道があります。
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この道にはアンティークの家具屋さんが密集しており、女王陛下の甥っ子のリンリー子爵の家具屋 LINLEY もあります。
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また、Daylesford Organic のピムリコ・ロード店もあります。この日は日曜日だったので閉まっていますが、普段は店の前にテーブルと椅子が出され、買い物だけでなく食事もできるようになっています。
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さて、このピムリコ・ロードの中程にピムリコ・グリーンと呼ばれる小さな広場があります。土曜日の午前中、ここでは新鮮な野菜等のマーケットが開かれる広場です(それを素通りしてDuke of York Squareのマーケットに行ってしまう私ですが)。

このピムリコ・グリーンの中に、実は、8歳のモーツァルト像があるんです。
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8歳のモーツァルト、バッキンガム宮殿で国王ジョージ3世の前で御前演奏をし、成功を収めていますが、夏の訪れとともに重い病気にかかり、この近くで長期療養生活をしています。

この間、チェンバロもなく、五線紙だけで作曲したと考えられているのが、「ロンドンの楽譜帳」(43曲)と後世呼ばれている小品集。

当時のロンドンは、パリと並ぶ最大の音楽都市で、国王ジョージ3世、王妃のシャーロットは大の音楽好き。そして、モーツァルトは、ロンドンで大バッハの末の息子、 ヨハン・クリスティアン・バッハ と出会います。ロンドンでもっとも人気があった音楽家です。

少年モーツァルトとヨハン・クリスティアン・バッハとの出会いは、たいていのモーツァルトの伝記に触れられており、よく知られていることとして、モーツァルトは、ロンドンを去った後も、ヨハン・クリスティアン・バッハを尊敬し続けたということ。

さて、話をウェストミンスター公爵に戻します。
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このピムリコ・ロードの入り口(ヴィクトリア駅寄り)には、第2代ウェストミンスター侯爵 リチャード・グロブナー (1795-1869) の記念碑があります(この当時のグロブナー家は公爵ではなく侯爵)。
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ウェストミンスター公爵(グロブナー家)は、メイフェア地区を筆頭に現在も500の街路、スクエア(広場)、ビルを所有しており、英国における最も裕福な貴族。所有する不動産はグロブナー・グループによって管理され、チェシャーにあるカントリー・ハウス「イートン・ホール」を邸宅としています。
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ロンドンにあるグロブナー・スクエア、ベルグレイヴィア・スクエア、ノース&サウス・オードリー・ストリートなどは公爵家に因んで付けられた名称です。
by rie-suzuki67 | 2008-06-19 11:44 | :: Walk & Streets
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