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旬の英国便り
by RIE SUZUKI, meet Britain
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英国の地方都市「ダブリン」
上記のタイトルを見たら、アイルランド国民は怒るに違いないが、首都ダブリンは、英国そのもので、外国に来た気が全くしなかったのです。
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都市と工場地帯の占める割合が国土の 10% というアイルランド。アイルランドは、カントリーサイドにこそ見るべきものがあるように思います。
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ダブリンで最もファッショナブルなショッピイング・ストリート「グラフトン・ストリート」(Grafton Street)を歩くと、右を見ても左を見ても、延々そこに並ぶ店は、英国と全く同じ(M&S、next、Accessorizes など)で、商品も同じ。英国から来た人には(ダブリン観光は)辛い!
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英国が独立を承認したのが(実質)1938年。ダブリン空港では入国審査をうけスタンプが押されましたが、帰国の際、英国の空港では(外国人にとっての魔の)入国審査なし!嘘!国内扱いですか?! 私にとっては、イミグレーションを通らないで済むなんてこの上もなくハッピーでしたが、両国の温度差を感じた瞬間です。
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グラフトン・ストリートには、カフェとしてダブリンで一番古い歴史を持つ「ビューリーズ・オリエンタル・カフェ」(Bewley's Oriental Café)があるので行ってみました。
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ダブリンを代表する作家ジェイムズ・ジョイス(James Joyce, 1882-1941)も度々足を運んだカフェで、同じくダブリンを代表するステンドガラス作家・イラストレーターのハリー・クラーク(Harry Clarke, 1890-1931)のステンドガラスでも知られるカフェです。
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カフェとレストラン部分がありますが、カフェでケーキを食べてみました。不味い!そんなところまで英国と同じである必要はないのに~!おとなしくスコーンを注文すればよかった。

一応、ここのコーヒー・紅茶は有名なので、ヒルトンホテルの客室にも常備されています。
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お土産物屋さんで結構見かけた置物がありますが、それの原型はこちら(↓)
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モリー・マローン像(Molly Malone)。手押し車で魚貝類の行商をしていた少女 モリー・マローンのブロンズ像ですが、(英国人にもよく知られた)古くから伝わるアイルランドのフォークソング「モリー・マローン」っていう曲は、彼女のことを歌ったものなんだとか。マローンは1734年に高熱で亡くなり、ウェルバー教会(St Werburgs Church)に埋葬されています。
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↑ ダブリンで最も有名なパブ「テンプル・バー」(Temple Bar)。この地区周辺の地名もテンプル・バーと言いシティセンターで一番賑やかな場所です。かっては修道院のあるエリアでしたが、1600年代に、そこをテンプル一族が所有したところから地名が発生しています。
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テンプル・バー地区の道路網が最初に形成され始めたのは18世紀の中頃で、それまでは、薄汚れた家々やパブで形成されていました。19世紀になって商業的に重要な地域となり多くの店が建ちましたが、20世紀になると下落した状態になります。しかし、1980年を境に、ダブリン市が率先した文化的な再開発を行ったため、今では多くのパブ、ナイトクラブ、おしゃれなレストランや店などが溢れるように建ち並ぶ(ぐちゃぐちゃしている)最新の流行発信地となっています。

さて、このエリアで夕食です。
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アイルランド名物のBoxty を食べなければ!Boxty は伝統的なアイルランドのパンケーキ料理で、パンケーキの生地で具をラップしたスタイルのれっきとしたお料理。ベルギーのガレット(食事用そば粉のクレープ)みたいな発想のもの。
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これが「美味いんだな~!」。
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私は、Seafood Boxty(↑)を注文。
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無茶苦茶気に入ってしまいました。
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実は夕食の前に、パブでラブビー観戦をしていました。
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これは(↓)「ちょっとトイレに立ってます」というパブでの合図
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さて、英国とは違う物をひたすら捜し求めたダブリン。入りたいと思う店は、お土産物屋さんばかり(15件くらい入ったかな)。

クローバー(シャムロック)や妖精の置物などアイルランドらしいものが一杯あるから。ショッピングといえば、ダブリンにしかない百貨店CLERYSで、ロイヤル・タラ(Royal Tara, 陶器の食器など)を探したのですが商品がなかったので残念。

「タラ」といえば、「タラへ帰ろう」と主人公のスカーレットにラストシーンで言わせた作家マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」を思い出します。アイルランド人にとっての聖地タラ(アイルランド)。アイルランド系移民の米作家ミッチェルにとってもタラは、(繁栄の時にも苦難の時にも、人々が)立ち帰るべき神聖な場所。
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アイルランドの「ジャガイモ飢饉」事件(1840年代後半より、ジャガイモの不作が数年続き、大飢饉となるジャガイモ飢饉、この結果、多数のアイルランド人がアメリカ大陸へと移住)が頭をよぎった瞬間、この人の登場です(↓)
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アイルランドの人気 'ポテトチップス' ブランド「テイトー」(Tayto)の宣伝カー(↑)。このジャガイモさん Mr. Tayto といいまして、只今、花嫁募集中です。
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英国と違う物探しですが、警察官(↑)の服装は英国と同じですが、Police ではなくゲール語を使い Garda ということ。
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一部の地方の中高年の人しかゲール語は使わないそうで、ダブリンはしっかり英語が日常語。携帯でも皆、英語を話していますが、一応、標識は二言語表記(多くの市民が読めないと思いますが?!)。
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バスは、ペインティングが英国と違うだけで(赤じゃない)、内装システムは同じ。
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タクシーが乗用車(ブラック・キャブではない)。
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ポストが(形は英国と同じ、赤を緑に塗り替えただけ)。
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車は英国と同じ左側通行。歩行者用の Look Right/Look Left も同じで、英国の道路を歩いているのと全くかわりがないのですが、実は、歩行者用信号に「黄色」があるんですよ!(Red man と Green man の間に Yellow man がいるってわけです)
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さて、作家博物館にでも行こうかと思ったのですが、休館中だったので、近くのジョイス記念館に行ってみました。
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ジョイスのブロンズ像(奥)の前でパフォーマンスをしている(ジョイスの格好をした)バスカー(↓)
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アイルランドを代表さる作家は、(歴史的に言って)一般的には「英国を代表する作家」として知られている人が多いです。
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「ガリヴァー旅行記」のジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift, 1667-1745)、ノーベル文学賞作家ジョージ・バナード・ショー(「マイフェア・レディ」の劇作家 George Shaw, 1856- 1950)、オスカー・ワイルド(「幸福の王子」の作者 Oscar Wilde, 1854-1900)、ブラム・ストカー(世界的に有名な「ドラキュラ」の著者Bram Stoker, 1847-1912)など。

*ドラキュラ(Dracula)は、「悪い血」を意味するゲール語の Droch Ola に由来し、ストカーの時代には、自殺すると心臓に杭を打ち込まない限り吸血鬼になると信じられていました。
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私の住む南ロンドンには、ドラム(路面電車)が走っていますが、ダブリンは街の中心を走っています。
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by rie-suzuki67 | 2008-02-28 11:00 | :: Travel
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