運河 vol.2・・・英国の毛細血管 |
運河 vol.1で、なぜ「産業遺産」(Industrial Heritage)について書いたかというと、「運河」(カナル canal)は、18世紀初頭に始まった産業革命により、18世紀末、主に石炭の輸送手段として、英国全土に建設が始まった(英国的)産業遺産だからです。 王室御用達の高級磁器として有名なウェッジウッドも、陸上運搬による衝撃などを避けるため、原料や製品の輸送のために運河建設を推進したことで知られています。 英国運河の最大の特徴は、「ナローボート」(narrow boat)と呼ぶ英国独特の運河船。幅7フィート(約2m)を基準に作られていますので、非常に細長い船です。そして、このナローボートのペインティングを「カナル・アート」と呼びます。 皮肉にも産業革命による鉄道や道路摸の発達により、一度は消えかかった運河は、観光用として、今日、生きづいています。フランスやドイツの水門の多くは、機械で自動的に開閉されますが、英国運河の「ロック」(水門 lock)は基本的に手動です。これは、現在、英国では実際に貨物が運搬されていないため、効率化する必要がなかったからで、運河の幅が狭く手動でも操作が可能なため、と考えられます。数々の発明はするけど、発展のない英国らしい代表例です! 峡谷を越えるために地上40mに「水橋」(アクアダクト aqueduct)を架けた土木技術者・運河技術者トーマス・テルフォード(Thomas Telford)の名は外せないでしょう。 1805年完成、ナポレオンとネルソン提督のトラファルガー海戦から数ヶ月後ですから、う〜ん、本土と庶民は、日常生活って感じですな〜。 |
by rie-suzuki67
| 2006-08-07 23:42
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