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旬の英国便り
by RIE SUZUKI, meet Britain
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素晴らしき19年目のバッキンガム・クリスマスツリー
英国人は、テレビ同様にラジオを聴きます。特に、BBC Radio4は同等。「今日、xx時からBBC Radio4で・・・」という言葉も普通です。

(ラジオを使って聴いているわけではなく、デジタルテレビ放送にラジオチャンネルも網羅されているので、テレビで聴いているのですが)

Radio4 Saturday Morningの中で、このニュースを聞くまで、多くの方がそうであったように、実は、私も(!)バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)前にクリスマス・ツリーがあることに気がつきませんでした(目に入っていたでしょうが、気に留めていなかったのか?!)。
素晴らしき19年目のバッキンガム・クリスマスツリー_a0067582_7255588.jpg

1996年12月に、グラフィック・デザイナーをしていたロビンさん(Robin Ollington)という人から女王様へ送られた一通の手紙から、事が始まります。

戦後の1947年から毎年、ノルウェーのオスロ市から感謝のしるしとして贈られてくるトラファルガー広場のもみの木を眺め、ツリーの前で毎日行われるクリスマス・キャロルの歌声といったクリスマス・ムードの広場を抜けて、そこから真っ直ぐバッキンガム宮殿へのびるザ・マル通りを歩いてヴィクトリア駅へ向かう家路のロビンさん。

ガス燈の灯り、静まりかえったザ・マル通り・・・バッキンガム宮殿前まできたところで、ふっと、どこにもクリスマスツリーやクリスマスの気配がないことに、不思議な気持ちにおそわれたそうです(確かに!私も同感)。

クリスマスツリー文化・伝統を英国民に紹介、導入したのは王室。その宮殿前に、クリスマスツリーが飾られていないのは、クリスマスの雰囲気が周囲にないのは、とても残念と感じた彼は、家に帰るや、エリザベス女王に手紙を書いたそうです。

「バッキンガム宮殿にクリスマスツリーを飾ったらどうでしょうか」と。
素晴らしき19年目のバッキンガム・クリスマスツリー_a0067582_7271490.jpg

すると3日後、宮殿の女王の秘書から「女王陛下に、直々、貴殿の手紙を見せ、考慮する事にしました」という内容の返書が届いたのだそうです。

手紙に対するフレンドリーな返信にすぎず、考慮するなんていうのは、社交辞令で、きっと、そのままだな、と思っていたところへ、更に数日後、再び、手紙が届いたそうです。

「日が暮れてから、もちろん、昼間でも、バッキンガム宮殿の前を通られてみては?」「すべては貴殿の繊細な提案による、(宮殿前を飾る)Welcoming Christmas Treeを見ることでしょう」と。
素晴らしき19年目のバッキンガム・クリスマスツリー_a0067582_7285913.jpg

この時以来、ずっと毎年、バッキンガム宮殿のロイヤル・テラスの真下に、クリスマスツリーは飾られ続けているんです。

女王の元に届く手紙は、年間、数え切れないほどだそうです。一般の人からの手紙を読む係りというのも、(その選別に良識と知性、繊細さが必要でしょうから)大変な仕事です。

現在、85歳のロビンさん、毎年、バッキンガム宮殿のクリスマスツリーをご覧になっているそうです。
素晴らしき19年目のバッキンガム・クリスマスツリー_a0067582_7294197.jpg

電球だけのクリスマスツリーというのは、英国では珍しくないのですが、写真をご覧の方の中にはもみの木だけ?と思われた方もいるのでは?今日の昼間に撮影したので、イルミネーションを感じていただけなくて申し訳ないのですが・・・
by rie-suzuki67 | 2014-12-17 07:30 | :: Royal Family
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「英国と暮らす」 apd2.exblog.jp