旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
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パセリ、セージ、ローズマリーとタイム
昨日の「ローズマリーは追憶のため」は、愛する人に "(私のことを)覚えていて"、という切ない一説のお話でしたが、今日は逆に "私のことは忘れてくれ"、という歌。

サイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)といえば、「サウンド・オブ・サイレント」「スカボロー・フェア」という世界に知られたヒット曲がありますが、この「スカボロー・フェア」の歌詞はかなり謎めいたもの。
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といっても、歌詞はイングランド民謡「スカーバラ・フェア」(Scarborough Fair)。その歌詞に、ポール・サイモンが自らの曲をつけたものゆえ、彼に罪はないのですが。

正しくと発音するとScarborough「スカーバラ」なので、スカーバラと書かせていただきますね。
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ウェスト・ヨークシャーに居たことのある私にとって、ノースヨークシャーの東海岸に位置するスカーバラは、とても思い出深い、なんとも表現し難い雰囲気をもったいい場所なのです。

今回は、見所は抜きにして、この歌詞の舞台であるスカーバラの風景写真(3月に訪れた時のもの)をご覧いただきながら、"私のことは忘れてくれ" のお話を続けたいと思います。
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「スカーバラ・フェア」とは、中世の時代、8月15日から6週間に渡ってスカーバラで開かれた市(マーケット)。ヨーロッパ大陸から大勢の商人もやってきて賑わったので貿易フェアというのが正しいでしょう。
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では、「できっこないでしょ!」という無理難題の、その歌詞をみてみましょう。

Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary, and thyme;
Remember me to one who lives there,
She once was a true love of mine.
スカーバラ・フェアへ行くのなら
(パセリ、セージ、ローズマリーとタイム)
かの地に住む人に伝えて欲しい
昔、心から愛した人に

Tell her to make me a cambric shirt,
Parsley, sage, rosemary, and thyme;
Without no seams nor needlework,
Then she'll be a true love of mine.
私のために、亜麻布のシャツを作っておくれと
(パセリ、セージ、ローズマリーとタイム)
縫い目もなく、針も使わず
それができれば、彼女は私の真実の恋人になる

Have her wash it in yonder dry well,
Parsley, sage, rosemary and thyme;
Where water ne'er sprung nor drop of rain fell,
Then she'll be a true love of mine.
それを、向こうの乾いた井戸で洗っておくれと
(パセリ、セージ、ローズマリーにタイム)
水が湧き出ることも、雨の雫がふりこむこともない井戸で
それができれば、彼女は私の真実の恋人になる

Tell her to find me an acre of land,
Parsley, sage, rosemary, and thyme;
Between the salt water and the sea strand,
Then she'll be a true love of mine.
私のために、1エーカーの土地を探しておくれと
(パセリ、セージ、ローズマリーとタイム)
塩水(波打ち際)と海岸(砂浜)の、その間に、
それができれば、私達はまた愛し合える

Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary, and thyme;
Remember me to one who lives there,
She once was a true love of mine.
スカーバラ・フェアへ行くのなら
(パセリ、セージ、ローズマリーとタイム)
かの地に住む人に伝えて欲しい
昔、心から愛した人に
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途中、幾つかの無理難題を省きましたが、おそらく、大陸からスカーバラ・フェアを訪れた男性が、その折、巡り合ったかの地に住む昔の恋人に、「自分のことは忘れてくれ」というメッセージを込めたもの。
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ただ、「パセリ、セージ、ローズマリーとタイム」(Parsley, sage, rosemary, and thyme)のくだりには、隠された意味が幾つか存在するようで、その一つの説としては、魔よけ

イングランド民謡である 「スカーバラ・フェア」 は、一説によると、魔界の妖精と人間のやり取りとされ、魔界の妖精が、旅人に無理難題(実現不可能な伝言)を問いかけ、もし、旅人が、まともに返答したなら、魔界にさらっていくというもの。

その企みを見抜いた旅人は、「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」 と、魔よけ効果のある植物(ハーブ)の名を唱えて、うまく逃げおおせたということです。
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by rie-suzuki67 | 2014-11-20 03:41 | :: Travel
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