旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
カテゴリ
検索
記事ランキング
以前の記事
画像一覧
外部リンク








図書館という名の博物館
昨日のロンドンは、お天気が不安定で、(風速があるからなのですが)太陽がひっきりなしに雲の中に入ったり出たり。
a0067582_7171870.jpg

とうとう、ひとしきり土砂降りとなり、すぐに止んだものの、次の土砂降りが迫ってくる(↓)ようなので、急ぎ足で駅へ。
a0067582_7192259.jpg

さて、今日は、「高貴な感じがして、(観光の)私とは無縁の場所」と勘違いをされているあなたにご紹介するBritish Library(大英図書館)

ユーロスターの発着駅であるセント・パンクラス駅の隣にあります。
a0067582_720950.jpg

British Library(大英図書館)は、英国の国立中央図書館ですが、常設展示室特別展が催される幾つかのギャラリーがあり、(博物館&美術館のように)ギフトショップもあります。

5億ポンドの建設費をかけて、1998年に、あの「大英博物館」の建物から独立したほどの図書館ゆえ、所蔵内容も図書館ならではの(博物館のような)英国の至宝が揃っており、その所蔵数は約2億点におよび、今では、世界最大の図書館となりました。

今、開催されている特別展は、玄関を入ってすぐ左手(ギフトショップの横)のPACCAR Galleryにて、「ジョージアンズ・リヴィールド」(Georgians Revealed)
a0067582_7212120.jpg

本来の図書館機能を利用になる場合は、事前に、「入館証」を作成してもらうための申請が必要ですが、カフェ&ギフトショップの利用や、常設展示室をご覧になるのには(「大英博物館」と同様に)無料で自由に見学できます。

※特別展への入場の場合は、チケットを購入しないといけないので有料です。
a0067582_7284124.jpg

目玉というべき常設展示室(The Sir John Ritblat Gallery)には:
-「マグナ・カルタ」
- ビートルズ自筆の「歌詞」の走り書き
-「ダ・ヴィンチ」や「ミケランジェロ」の手描きのノート
-「モーツアルト」の自作目録・楽譜とコンスタンツェとの結婚証明書
-「地下の国のアリス」の手書き原稿
-「シェークスピア」のファースト・フォリオ
-「ヘンデル」のメサイアなどの自筆楽譜
- ヘンリー八世から、娘であるエリザベス(後のエリザベス一世)へ贈られた「お祈り帳」
など、さまざまなアイテムが公開展示されています。

(The Sir John Ritblat Galleryは、2/14-3/7の期間、開館以来はじめてのリノベーションが行われていますので、3/8以降、入れます)

「図書館」というと、当然、本棚に囲まれていて書籍がたくさんフロアー、というイメージでしょうが、British Library(大英図書館)で人の目にさらされている書籍は、エスカレーターを上がった建物中央にある(まるで、ただの巨大なインテリアなのかしら?と勘違いしてしまいそうな)素敵な本棚のタワーに収納されている蔵書のみ。
a0067582_725974.jpg

このタワー、「キングズ・ライブラリー」(King's Library)と申しまして、覆っているガラスは、万が一、火災となっても6時間は炎に耐える特殊ガラスで、それもそのはず、タワーに収められている65000冊の蔵書は、ジョージ3世(1738-1820)が国家に寄贈した「大英博物館」設立の礎となった蔵書なのですから!

(1759年に開館した「大英博物館」の基礎をなすアイテムは、ハンス・スローン卿の収集品、コットン蔵書、ハーレー蔵書、そしてジョージ3世が集めた蔵書の寄贈)

タワーをぐるっと回った裏側はカフェ・レストラン
a0067582_7261667.jpg

カフェ・レストラン側にも(タワーには)蔵書がぎっしり納められていますので、その雰囲気の中でお茶というのもいいでしょう。

では実際、本はどこにあるか?というと、地下1~4階(一階が二層になっているため、実際には地下8階層)に収納されていて、図書館機能を使われる人は、何が読みたいのかを伝えると、ベルトコンベヤーにのせられて、利用者のデスクに届けられます。
a0067582_729487.jpg

それでもこの建物に収められている蔵書は、全体の40%に過ぎず、残りはウェスト・ヨークシャーのボストン・スパ(Boston Spaは、ヨーク、リーズ、ハロゲイトを線で結んだ三角形のど真ん中に位置する村)にある別館に保管されています。

毎日、約400品の所蔵品が加わる」(怖ろしいスピードで増えていく所蔵品の)その数の理由は、British Library(大英図書館)が法定納本図書館の一つだからなのです。

納本制度に基づいて、出版者は(英国内で流通する出版物は)、出版後1ヶ月以内に、その1部をBritish Library(大英図書館)にお納めすることが義務付けられています。

国立中央図書館の機能を持つBritish Library(大英図書館)は、出版後1ヶ月以内に納本された出版物を、半永久的に保存するとともに、これを用いて英国の全国書誌を編纂するものとする、となっています。
a0067582_7322944.jpg

納本図書館は、British Library(大英図書館)の他に5館(オックスフォード大学ボドレー図書館、ケンブリッジ大学図書館、ダブリン大学トリニティ・カレッジ図書館、スコットランド国立図書館、ウェールズ国立図書館)ありますが、しかし、出版者に、出版後(1ヶ月以内の)すぐに納本することが義務付けられているのは、全国書誌を作成するBritish Library(大英図書館)へだけになります。

逆に、他の5館は、1年以内に納本を出版者に対して「要求する権利」を有するのみ。
a0067582_7364247.jpg

研究者や大学院生が、毎日(学校へ通うかのように)、開館時間に入り、閉館時間までの丸一日をここで過ごすことで知られるのは、世界中の3000年分にわたる写本、稀覯本、切手、人文、科学技術、貴重書、手稿本、東洋・インド文献などの複数の主題閲覧室が設置されているため、「調べ物」というレベルを超えて、「研究」のための図書館といえるからです。

なんせ、英国へ亡命中のカール・マルクス(1818-1883, 64歳ロンドン(1849-1883) にて没)が、30年間通い詰めたのが(大英博物館から独立する前のBritish Libraryの前身である)大英博物館の図書館。

毎日のように大英博物館の図書館に行き、そこで朝9時から夜7時まで、ひたすら勉強していました。

彼の「資本論」をはじめとする主要な著作は、British Library(大英図書館)の資料を基に作成されています。
[PR]
by rie-suzuki67 | 2014-03-01 07:36 | :: Gal./Mus./Theatre
<< もう一つの「子午線」(メリディアン) ハイドパークのクロッカス >>
「英国と暮らす」 from LONDON by RIE SUZUKI apd2.exblog.jp