旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
カテゴリ
検索
記事ランキング
以前の記事
画像一覧
外部リンク








ルバーブの成長音「キシキシ」
しばらくスーパーでも八百屋さんでも見かけなかったルバーブ(Rhubarb)を、野菜&果物のストールが毎日立ち並ぶマーケット広場で、今日!見かけました。

英国ではルバーブのシーズン到来です。
a0067582_611418.jpg

「えっ、ルバーブは5月頃が旬じゃないの?!」と思った方は、最後まで話を読んでくださいね。(実は、このお話、4年も前に書こうと思いながら、今日になってしまった題材なんです)

気温の低い地域に適した多年生植物「ルバーブ」は、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、取り分け英国では大変ポピュラーな野菜です。(アメリカでは果物という判決が下りています)
a0067582_645970.jpg

成長するに従って、その香り赤みを増し、私たちが見ているのは赤い茎状の野菜という印象。

英王立園芸協会の 'grown as vegetable but used mainly as a dessert' (野菜として育ち、しかし、主にはデザートに使われる)という表現が物語っている通り、「ナーサリー・フード」("nursery-food")と総称されるパイやプディング、クランブルといった甘いデザート、または、ジャムや(酸味と甘味の)ソースに使われることが多い食材です。
a0067582_664016.jpg

香り豊か、そして酸味・・・日本には、明治初期に持ち込まれましたが、果物に近い(野菜)という印象から、当時の日本人の食生活には合わず定着しませんでした。

イングランド内で販売されるルバーブの殆どは、ヨークシャーの生産農家からやっています。中でも「ヨークシャー・フォースド・ルバーブ」(Yorkshire Forced Rhubarb)は、「EU保護食品ブランド」に指定されています。

生産者の権利と生産物のブランド名を守ることを目指すEU保護食品(EU Protected Food)の称号を持つ、最も広く認知されている食品といえば、フランスの「シャンパン」、イタリアの「パルマ・ハム」。それと同じです。
a0067582_63141.jpg

北イングランドのヨークシャーにあるリーズ(Leeds)、ウェイクフィールド(Wakefield)、ブラッドフォード(Bradford)の3都市を結んだ三角形の域内を「ルバーブ・トライアング」("Rhubarb Triangle")に指定し、この域内(9-square-mile = 23㎢) )にある農家が生産するルバーブだけが、「ヨークシャー・フォースド・ルバーブ」として販売できる認定です。

ルバーブは、暗闇の中でぐんぐんと成長するそうです(夜に活動とは、狼みたいで、ちょっと、怖いけど)。その時、ルバーブは「キシキシ」音をたてて育つと言われています。

一度でいいから成長音を聞いてみたい!
a0067582_6115153.jpg

暗い倉庫の床に敷き詰められた土から、ひょろりと伸びる赤い茎状の野菜・・・

そうなんです、「ヨークシャー・フォースド・ルバーブ」は、その栽培過程において、摂氏50度程に保たれた屋内に置くという手順を踏むことから、その名に「フォースド」(Forced)という単語が含まれるわけなんです。

英王立園芸協会のガーデニングの手引きでは、フィールド(庭とかの大地)で育てることを前提にしていますので、暗い屋内に置く手順を踏む「ヨークシャー・フォースド・ルバーブ」とは異なり、フィールド育ちルバーブのシーズンは4月から7月
a0067582_6133846.jpg

(↑) 'Welcome to Yorkshire's Rhubarb Crumble and Custard Garden' at "Chelsea Flower Show"

一方、「ヨークシャー・フォースド・ルバーブ」が出回るシーズンは、1月から3月。
a0067582_6145664.jpg

繊維、ミネラル、ビタミンCなど、健康志向の方に最適な野菜ということで、アメリカではダイエットサプリに(アメリカでは果物群ですが)。

英国には、EU保護食品(EU Protected Food)に認定されている食品が、現在、62あります。オークニー・ビーフ、スコティッシュ・ファームド・サーモン、コーニッシュ・クロテッド・クリーム、ウースターシャー・サイザーなど。

いずれも、生産されてきた歴史的背景、生産地域との関わり、そして、なぜその食品が保護対象とされなければならないかの確固とした理由がある食品で、どんな物があるか、更に知りたい方は、こちらでご覧いただけます。

ご参考までに、EU保護食品は、更に、三つのカテゴリー分けがされていて、「ヨークシャー・フォースド・ルバーブ」は、Protected Designation of Origin(PDO)に属します。

Protected Designation of Origin(PDO)
特定の地域において、生産、加工、調製のすべてが実施された名産品
Protected Geographical Indication(PGI)
特定の地域において、生産、加工、調製のいずれかが実施された名産品
Traditional Speciality Guaranteed(TSG)
独特の伝統を受け継いでいると見なされた名産品
[PR]
by rie-suzuki67 | 2014-01-21 06:15 | :: Food & Beverages
<< 鷹匠(たかじょう) ロンドンで一番ロマンティックな駅 >>
「英国と暮らす」 from LONDON by RIE SUZUKI apd2.exblog.jp