旬のロンドン便り From LONDON
by RIE SUZUKI, meet Britain
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サーロイン
(名探偵ポアロの自宅兼事務所、という設定の建物のお話に続いては・・・)

同じく「チャーターハウス・スクエア」に面した北側には、(その名の通り)「チャーターハウス」(Charterhouse)が今も佇んでいます。
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トマス・モアも訪れたことのあるチューダー様式の建物です。

昔、ジェームズ一世(ヴァージン・クイーン、エイザベス一世が後継者に指名したスコットランド王でスコットランドではジェームズ六世, 1566-1625)がここを訪れ、食事をしていた時のことです。
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あまりにも美味しいビーフに感動したジェームズ一世は、肉の種類(部位)を聞きました。

「ロイン(腰肉)」と聞いたジェームズ一世は、ただのロイン(腰肉)ではこの素晴らしい味わいに相応しくないと言い、Sir【サー】(騎士の称号)を牛腰肉に与えたのでした。

(豚腰肉は「ポーク・ロイン」、羊腰肉は「ラム・ロイン」というふうに)牛以外の肉の腰肉は、ロイン(loin)とだけ呼ぶのに、ビーフの場合だけ「サーロイン」(Sirloin)という言い方になり、皆様、お馴染みの言葉だと思います。

(因みに、私は、スーパーマーケットでPork Loinと打たれた商品表示の肉をよく買うのですが、その度に、このことを思い出しています)
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チャーターハウスは、(ジェームズが訪れる80年前の)1537年にヘンリー八世の(宗教改革により発せられた)「修道院解体令」によって解散させられた元々は修道院です(カトリックと異なり、以後、英国国教会に修道院はありません)。

この時、修道院は、解散に抵抗したことから、厳しい処分を受けました。

院長(ジョン・ホフトン)は、王への反逆という最も重い大逆罪者にくだされる「Hanged, drawn and quartered」(首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑)に処され・・・

10人の修道士たちは近くのニューゲート監獄へ送られ、このうち9人は監獄内で餓死させられ、残った1人は3年後にタワー・ヒルで処刑されるという歴史を経験しています。

彼らは、後に、カトリックにおける殉教者という位置づけで、院長は1970年にカトリックの聖人の列に。
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修道院解散以後、建物は貴族(ノース卿、ノーフォーク公、サフォーク伯など)の邸宅に。

その後は、少年の学校(1611年、石炭で財を成した商人トーマス・サットンが少年たちのための学校を開校。これが、現在のパブリック・スクール「チャーターハウス校」の前身で、1872年にサリーに移転しています)。

同時にサットンの遺言により、恵まれない老人のための養老院と病院が開設され、今も(現在のチャーターハウスは)40人の男性年金受給者の住宅として機能しています。

さて、話を「サーロイン」に戻して、このすぐ近く(直進するだけ)に、「サーロイン」(The SIRLOIN)という名前のレストランがあります。
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精肉中央卸売市場「スミスフィールド・マーケット」の正面にあるパブ「HOPE」の二階です。
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「トップ・クオリティのブレックファストとランチを提供」と書かれているのですが、これは、この場所が精肉中央卸売市場の前なので、朝から昼が稼ぎ時、ということでしょう。
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by rie-suzuki67 | 2012-10-12 09:11 | :: Food & Beverages
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