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旬の英国便り
by RIE SUZUKI, meet Britain
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ロンドン最凶の怪奇屋敷と、悲しい幽霊
オックス・ストリートから南側はメイフェア地区。そこにバークリー・スクエア(Berkeley Square)があります。
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バークリー・スクエアに面した「バークリー・スクエア50番地」と言えば、文句のつけようもないほど有名な幽霊屋敷。

この縦に長いフラットが建てられたのは、18世紀の半ば(最初の居住者は1745年)、人口が増えつつあるロンドンの住宅建設がひと段落する頃。
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事例をあげていくと、とっても怖いので、私は省略してしまいますが、恐怖の表情を浮かべ、原因不明の死が次々と起こり、持ち主は転々とし、空き家である期間の方が長く、誰かが入居しても長くは続かなかった得体の知れないおぞましい何かが住み着いている怪奇屋敷。

ヴィクトリア時代が終焉をむかえる1900年代に入るかという頃には、おぞましい存在が巣食っている怪奇屋敷として不動の地位を確立します。

因みに、同じ並びの 36-38番地 Berger Houseには、三井不動産さんがテナントとして入っていらっしゃる場所です。

現在の居住者である「マグズ・ブラザーズ」 (Maggs Bros. Ltd.) は、古書店として世界でもっとも長い営業年数を誇る1853年創業の英国御用達(女王様)の本屋さん。
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マグズ・ブラザーズがテナントとなる1939年まで、このロンドンの一等地に建つこの建物に、人が入ることなどなくったのでした。

余談ですが、メイフェア地区には、Snuffer(ロウソクの火を消す道具で、先端がラッパのように開いていて、それを被せて火を消す)をメタルワーク(↓)として玄関構えにほどこす所が多いですよ。
ロンドン最凶の怪奇屋敷と、悲しい幽霊_a0067582_8223850.jpg

さて、この居住者に対しては、入居以来、怪物は特に何もしない。今や、怪物よりも長生きして、かつ有名になった古書店に、敬服したのか?

50番地の得体の知れない怪物とは違って、寂しい老人の亡霊が現れることで知らせているのがすぐ傍の53番地。

17世紀、年老いた父親が住んでいましたが、娘に恋人ができて、結婚したら会いに戻ってくると書き置きした手紙を残して去っていきましたが、ついに戻らなかった。

戻らなかった事情もわかっていませんが、娘を溺愛していた父親は、置手紙を信じて待ち続けます。二階の窓から見える前の広場(バークリー・スクエア)に、娘が元気な笑顔で現れるのを。

今も彼は二階の窓側に時折り立っているといいます。

服装も17世紀当時のもので、白いサテンのコートに身を包み、頭には(当時の紳士のたしなみである)カツラをつけ。どんな身分の人であったのでしょう。
by rie-suzuki67 | 2011-02-23 08:23 | :: Architecture
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「英国と暮らす」 apd2.exblog.jp